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【DTM】デスク上のMIDI鍵盤とPCキーボードのベストポジションを徹底考察。どちらを手前にすればいいのか?

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予備知識

最適なデスクの高さってどのくらい?

ゲーミング家具メーカー「バウヒュッテ」のサイトで、「身長に応じた適切な机の高さ」を計算するツールが提供されている。

(参考)机の高さと椅子の座面の高さの関連性

日本人の平均身長で調べてみる。PC作業を行う場合の最適なデスクの高さは、次のとおりだ。

身長 最適なデスクの高さ
171cm(男性平均) 67cm
158cm(女性平均) 61cm

PC作業にふさわしいデスクは、思ったよりも低い(一般的な机は70cm程度なので)。

ただし、その人の体型(膝下の長さ・座高・上腕の長さ)によって、もちろん最適なデスクの高さは変わってくる。目安として、以下の富士通のサイトのデータを紹介したい。

パソコンを使うときには、次のような姿勢を取るのがポイントらしい。

  • 上腕垂直、肘を90度以上にしてキーボードに自然に手が届く
  • 足裏全体が床に接する

出典:パソコンの利用と健康 2. パソコンを使う時の姿勢 - 富士通

たしかに、この姿勢でPC作業をすると非常にやりやすいことがわかる。

最適な鍵盤の高さってどのくらい?

そもそも、本物のピアノってどのくらいの高さなのか?

ヤマハのサイトによれば、

■アップライトピアノ
モデルにより異なりますが、約73~75cmです。

■グランドピアノ
約73cmです。

出典:【ピアノ】床からピアノの白鍵の上面までの高さはどのくらいですか? - ヤマハ

とのこと。

なので、「床―白鍵の上面」までの距離が、だいたい73cm程度になるようにすると良さそう。机にMIDI鍵盤を載せた状態で、この程度の距離になるかどうかを確かめたい。

ここまでのまとめ

ここまでの情報をまとめてみると、

  • 最適なデスクの高さ:61~67cm前後
  • 最適な鍵盤の高さ:73cm

となることが分かった。

つまり、一般的には「デスクよりも鍵盤が高い位置にくる状態」が理想

2通りの選択肢:「鍵盤奥」 vs. 「鍵盤手前」

1. 鍵盤を奥に配置する

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普通の机を利用してDTMデスクを作れるというのがメリットだ。65cmくらいの机ならニトリとかでも売ってたりするし、耐荷重の部分さえクリアすればOK。低コストに環境を構築することも可能。

鍵盤とPCキーボードの高さについては、

  • PCキーボードの高さ:適切
  • 鍵盤の高さ:適切~少し高め

となる。

PCキーボードの高さは、もちろんバッチリ(そもそもこっちに合わせてるので)。

鍵盤の高さに関しても、若干高めではあるにせよ、ほぼOKラインな状態だろう。特に76鍵以下のシンセをMIDIキーボードに使っているような人は、鍵盤の高さはバッチリなはず。

惜しむらくは、88鍵のステージピアノ等をMIDI鍵盤として使う場合、鍵盤が少しだけ高めになってしまうことだ。※機種にもよるが。

  • デスクの高さ:65cm
  • デスク上面~白鍵の上面までの距離:だいたい11cmくらい

と仮定すると、

  • 鍵盤の高さ:76cm

となってしまう。これは、一般的なグランドピアノよりも、3cmほど高い状態。もし、「鍵盤は88鍵が良くて、さらに低めで弾きたい」という人がいたら、注意したほうがいいだろう。

鍵盤が高いのが気になる……という人は、

  • Studio Logic Numa Compact 2x」のような、厚みが薄いステージピアノを使う
  • デスクをめちゃくちゃ低くする
  • むしろ高い位置に慣れちゃう(目指せグレン・グールド)

といった工夫をする必要があるだろう。

「鍵盤が奥」なプライベートスタジオのリンク

プロの作曲家で「鍵盤が奥」な方々を紹介する。

2. 鍵盤を手前に配置する

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体のそばに鍵盤が来るので、鍵盤の演奏がしやすいのがメリット。体と鍵盤の位置関係をベストな状態に保つことができる。

デスクの代わりにキーボードスタンドを使えば、鍵盤の高さを自由に調節したりもできる。

低い位置で鍵盤を演奏したい人は、必然的にこのタイプの配置になるだろう。※その際デスクの高さも相当低くする。

また、多少費用はかかってしまうが、カスタムデスクを注文すれば、鍵盤を引き出しの中に収納したりすることもできる。

  • 鍵盤を使うとき:引き出しておく
  • 鍵盤を使わないとき:しまっておく

という風にできる。「鍵盤の演奏性能」と「PCキーボードの入力のしやすさ」の両立が可能だ。

鍵盤を手前に配置することのデメリットとしては、

  • カスタムデスクを用意しない限り、PCキーボードは、鍵盤の上の空いたスペースに置く必要がある

という点が挙げられるだろう。この場合、体勢的にどうしてもPCキーボードの入力はやりづらくなる。DAWのオペレーション程度ならなんとかなるかもしれないが、長時間キーボードのタイピングをするのはキツい。

※ちなみにサンレコのスタジオ特集とかを読むと、こういう配置にしているクリエイターが意外と多い(特にベテランの人)。

また、カスタムデスクの有無に関わらず、PCキーボードの高さはどうしても高くなってしまう。鍵盤よりも高い位置にPCキーボードを配置することになるからだ。

はじめに「PC作業に最適なデスクの高さは、61~67cm程度」と書いたが、これを目指すのは難しいかもしれない。

※これを目指す場合、鍵盤がとても低くなってしまい、デスクの下に膝を入れるのが難しくなる。

他にも、引き出し式の鍵盤を出し入れする作業は、後々面倒に感じてくる可能性もある。課題点は意外と多そうだ。

「鍵盤が手前」なプライベートスタジオ のリンク

プロの作曲家で「鍵盤が手前」な方々を紹介する。

おすすめ配置:「鍵盤を奥」に配置しよう!

僕のおすすめは、1番目に紹介した「鍵盤が奥」の配置だ。

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  • 低コストで済む
  • PCキーボードの入力がしやすい
  • 鍵盤もそこそこ演奏しやすい

といった特徴がある。どの要素もまんべんなく良い感じになってくれる。デメリットもほとんど無いのでおすすめだ。

  • 鍵盤を低い位置で演奏したい
  • カスタムデスク×引き出し式の鍵盤でハイテク感を出したい
  • 手書きでスコアを書くから、机は高めがいい

等の事情がない限り、大半の人は「鍵盤が奥」の配置がしっくり来ると思う。

おすすめのデスク

最後に、おすすめのデスクを紹介してみる。

  • 高さは65cm前後(前述の「PC操作に最適なデスクの高さ」をふまえる)
  • 幅は140~150cm(88鍵がおけるサイズ)
  • 耐荷重は50kg以上(余裕を持って88鍵が置けるくらい)

こういった条件で探すことにする。

僕もデスクを何個も買った経験があるわけではないのだが、ひとつアドバイスをすると、88鍵を置くなら、そこそこ剛性の高いデスクを買うのがオススメ。

※1万円くらいの安価なデスクだと、88鍵を置いて演奏すると揺れたりする。

僕のオススメはガラージのデスク。作りがしっかりしている割に、価格がお手頃なのだ。耐荷重も高いし、本体の重量も重め。

ここではガラージで売っているデスクを2点ほど紹介する。

fantoni GX

ガラージが取り扱っている、「fantoni」というイタリアの家具メーカーのデスクだ。細身のデザインとは裏腹に、耐荷重は60kgもある。88鍵のキーボードを載せても使えそうだ。

※耐荷重は商品一覧ページのほうに記載されている。→ デスク・テーブル一覧| Garage(ガラージ)

高さを620mm~820mmの範囲で調整できるというのが嬉しい。デスクの高さを低く設定すれば、DTM作業も快適にこなせそうだ。

fantoni GX

デスクAF・セミオーダー(※サービス休止中)

ガラージの中ではこれが一番オススメできる製品だった(過去形)。

  • セミオーダーすることで、高さを最低65cmまで下げられる
  • パネル脚のため安定感がある。耐荷重も60kg
  • 幅、奥行きも調整可能(セミオーダーなので)
  • おまけに値段も安め

といった特徴を持っていて、まさにDTMをする人のためにあるような素晴らしいデスク……だったのだが、非常に残念なことに、現在サービスを一時中止しているようだ。

弊社システムリニューアルに伴い、2018年12月4日(火)より、サイズオーダー製品のご注文が承れなくなります。再開の日程につきましては、改めてご案内させて頂きます

出典:サイズオーダー製品のサービス一時中止のご案内 | 仕事場インテリア・オフィス家具の通販ショップGarageガラージ

販売の再開を待ちたいところだ。

※ただ、「システムリニューアルの都合でサービス中止している」とのことなので、仮に僕が今どうしても必要なら、ダメ元で問い合わせてみると思う。

参考までに、「セミオーダーではないデスクAF」の商品ページを貼っておく。

デスクAF

FinaleでMIDIデータから楽譜を作る方法

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はじめに

「ボーカリストに仮歌を依頼するために、譜面を用意しなきゃ……大変だなぁ」

「Cubase付属の譜面機能を使っているけど、表示が綺麗じゃないんだよなぁ……」

このように、譜面の用意に手こずっている人は意外と多いかもしれない。しかしFinaleを使えば、これらの悩みは解決する。MIDIデータを整えてからFinaleに読み込めば、売っているような美しい譜面を作ることができる。

今回は、MIDIデータをFinaleに読み込んで譜面を作る方法を紹介していく。

1. MIDIデータからボーカル用のメロディ譜面を作る

ここでは、DAW上で手弾きした童謡「ふるさと」のメロディのMIDIデータを、FInaleに読み込んで譜面を作る手順を紹介する。

(参考)故郷 (唱歌) - Wikipedia

1-1. あらかじめDAW上でMIDIデータを整形しておく

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あらかじめMIDIデータを完璧にクオンタイズしておくのが重要。Finaleに読み込んでから音価や休符の調整をするのは面倒なので、上記画像のようにMIDIデータの時点でキッチリ整形しておいたほうが、作業は圧倒的に楽だ。

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上記画像は、CubaseでMIDIのリアルタイム入力で童謡「ふるさと」のメロディを入力した状態。この程度のズレでも、Finaleに読み込むと後から補正が必要になってしまう。きちんとクオンタイズしておこう。

それと、忘れてしまいがちなのが、音価のクオンタイズ。MIDIノートの長さも、きちんとグリッドに揃えておこう

ちなみにCubaseでは、

  • メニュー>編集>高度なクオンタイズ>「MIDIイベントの長さをクオンタイズ」

からMIDIノートの長さのクオンタイズが可能なので、上手く活用するとよい。

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MIDIデータの整形が済んだら、MIDIファイルを書き出す。

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1-2. FinaleにMIDIファイルをインポート

Finaleを起動し、譜面ウィザード等は開かずに、右上のバツ印をクリック。次の画像のような「空のFinale」に、MIDIファイルをドラッグ&ドロップしよう。

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MIDIデータをドラッグ&ドロップすると、設定画面が現れる。

MIDIファイル入力オプション

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まずはMIDIファイル入力オプションを見ていく。

  • テンポ・チェンジ情報
  • 連続的データ
  • マーカーを付箋に変換

の3項目は、必要ないのでチェックを外しておく。

また、下の方にある

  • パーカッション用の五線を作成

のチェックも外しておく。

※余談だが「調号:元のファイルから推測」のオプションは、チェックしたところで部分転調に対応できないことが多いため、僕は使っていない。

クォンタイズ設定

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続いて、「クォンタイズ設定」をクリックする。このウィンドウでは、「どの程度細かい音価までFinaleに認識させるか」を決める。

ここでは次のように設定する。

  • もっとも短い音符:8分音符を選択
  • 採譜結果:「連符を使用しない」にチェック

OKをクリックし、MIDIファイル入力オプションのウィンドウに戻る。さらにOKを押すと、譜面が生成される。

1-3. 生成された譜面を調整

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上記のような譜面が生成される。はじめにMIDIデータのクオンタイズをしっかりやっておいたので、音符の長さや休符の位置は完璧な状態になっている。

MIDIファイルが無事に読み込めたところで、譜面を整える作業をしていく。まずは、キーを適切に設定しよう。

  1. 小節をすべて選択し、右クリック>調号>「調号の設定」と進む。

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  2. キーを「Gメジャー」に変更し、移調の設定を「既存の音符はその音程を維持:異名同音で書き換え」にチェック。

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  3. OKを押す。

上記の操作を行えば、正しいキー(Gメジャー)に変更できる。

あとは、微調整として

  • 変形図形ツールでスラーを書き足す
  • 空白の小節(1小節目)を削除する
  • 五線のパート名(「Melo」)を、スコアマネージャーから削除する
  • 1段目の五線の左側の余白を、「ページ・レイアウトツール」で詰めておく
  • 1段あたり4小節になるように、「小節のはめこみ」コマンドを適用する

といった作業を行えば、見栄えのする譜面になってくれる。

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2. MIDIデータからストリングスのスコアを作る

さて、ここからは以前の記事で作ったデモ音源のストリングスパートのMIDIデータを、Finaleに読み込んでスコア譜面を作る手順を紹介する。

※参考までに紹介すると、Vienna Chamber Stringsの記事で用意した音源だ。

2-1. あらかじめDAW上でMIDIデータを整形しておく

MIDIデータからストリングスの譜面を作るときも、ボーカル譜面のときと同じように、MIDIデータをキッチリと整形しておく。

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ストリングスのMIDIデータは、

  • キースイッチが入っていたり
  • スタッカートを表現するために音価が短くなっていたり
  • 細かいフレーズが多かったり
  • 奇数連符が出てきたり

することも多々あるので、整形は大変かもしれないが、めげずに頑張ろう。※これでも手書きするよりはずっと楽なので……

2-2. FinaleにMIDIファイルをインポート

空のFinaleウィンドウに、MIDIファイルをドラッグ&ドロップする。MIDIファイル入力オプションについては、ボーカル譜面のときと全く同じように設定すればOK。

ただし、クオンタイズ設定では少し工夫が必要だ。

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ボーカル譜面のときと同様に、「曲中で登場する最小音価」を設定する必要がある。今回のストリングス譜面で使う最小音価は5連符。どのように設定すればいいのだろうか?

結論からいうと、「204 EDU」に設定すればOK。EDUって何?という感じだと思うので、Finaleのマニュアルから引用して紹介すると、

Finaleでは、リズム(音価)を表す単位として、EDUという独自の単位も使用します。

4分音符 1024

出典:計測単位の違い

とのこと。「4分音符=1024EDU」と換算するルールになっているようだ。

まとめると、2項目のチェックは次のように設定すればよい。

  • もっとも短い音符:204 EDUに設定(手動で値を入力する。※1024÷5≒204)
  • 採譜結果:「連符を混合したリズム」にチェック

この状態で、MIDIファイルをインポートした結果がこちら。

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音符・休符の長さともに完璧に表示されている。

2-3. 生成された譜面を調整

あとは、

  • ビオラの音部記号をハ音記号に変更
  • キーを適切に(E♭に)設定する
  • 表示を横長に(ページ・レイアウトツールを選択し、メニュー>ページレイアウト>「ページサイズ編集」から設定可)
  • スコアマネージャーからパート名(正式五線名/省略五線名)を設定
  • スラーやスタッカート、トリル、ピチカート指示などの書き込み(今回はやっていませんが)

といった調整を行えば、見栄えのする譜面になってくれるだろう。

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おわりに

DAWでの曲づくりがスタンダードになった昨今、ゼロから譜面を書くよりも、DAW上のMIDIデータを元にして譜面を作ることのほうが多いかもしれない。

もしそういった必要に迫られている人がいれば、この記事を参考にスピーディーに作業を進めてもらえればと思う。

Finaleのライブラリに関する覚え書き

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※Finaleの「ライブラリ」ファイルに関する、備忘録的な記事となります。

Finaleの「ライブラリ」って何?

「ライブラリ」とは、自作したコードサフィックスや発想記号、設定項目などを、他のFinaleファイルでも使えるようにするためのファイルのことだ。

例としては、

  1. ファイルAで使っている自作のコードサフィックスを、ファイルBでも使いたい。
  2. ファイルAの「コード&フレットボード」のライブラリを書き出す。
  3. ファイルBで、手順2で書き出したライブラリファイルを読み込む。
  4. ファイルBでも、自作のコードサフィックスを使えるようになる!

こういった流れで使うことになる。

ライブラリを保存するコツ

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ライブラリは項目ごとに、個別に分けて保存するのがコツ。複数の項目をまとめてライブラリファイルに出力することもできるが、読み込み時に項目を個別に選択できない。ライブラリファイルは項目別に保存したほうがいい。

ライブラリの内容について

「どの要素がどのライブラリ項目に反映されるか」は、一応Finaleのオンラインマニュアルに書かれている。→ ライブラリを保存ダイアログボックス

だけど、項目がかなり細分化されているし、名前の付け方が分かりやすいとはいえない。直感的に把握しづらいと思われるので、主なライブラリ項目について、具体例を交えて内容をまとめてみる。

※一部のみ抜粋しています。

コード&フレットボード

主に、自作のコードサフィックスを呼び出すためのライブラリ項目。Finaleのコードサフィックスは、ほぼ自作前提なので、利用することが多い項目ではないだろうか。

なお、「サフィックスを読み込むときに、既存のものと重複が起こったりしないか?」が気になるところだが、

Finaleはライブラリの読み込み時に、そのファイルの既存のサフィックスをチェックして、重複しないものだけをファイルに取り込みます。

出典:ライブラリを保存ダイアログボックス(コード&フレットボード)

とのことなので、心配は要らない。

アーティキュレーション

アーティキュレーションツールとは、スタッカートやアクセント、フェルマータなどを入力するためのツールだ。

たとえば、ギター用のTAB譜を作るときなどは、チョーキング(C)やハンマリング(h)など、自作したアーティキュレーション記号を使うことがある。このような記号を他のFinaleファイルでも使いたいときは、この「アーティキュレーション」の項目にチェックしてライブラリを書き出せば良い。

文字発想記号/図形発想記号

発想記号ツールは、

  • リハーサルマーク
  • 「f(フォルテ)」や「p(ピアノ)」等の強弱記号
  • 「Allegro」や「(音符)=120」などの速度を表す記号
  • スウィング記号

を表記するためのツールだ。

発想記号を自作する場合、「文字」か「図形」のどちらかを選んで、作成することになる。

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なので、自作した発想記号をライブラリとして書き出す場合も、次のような分類が行われるようだ。

  1. 文字を使っているもの:文字発想記号
  2. 図形を使っているもの:図形発想記号

このルールを踏まえて、発想記号のライブラリを書き出すようにすればOK。

文字反復記号

反復記号ツールは、「D.S./セーニョ」や「to Φ/Φ Coda」などの記号を表記するためのツールだ。※Φは「ヴィーデ」の意。

以前書いた「Finaleで「1番&2番かっこ」「D.S/セーニョ」「to Φ/Φ Coda」が付いた譜面を作ってみよう」という記事では、

  • CodaとΦをくっつけて表示させるには、「Coda」部分の文字記号は、自作する必要がある
  • Φやセーニョに丸数字のマークを付ける場合も、文字反復記号を自作する必要がある

という趣旨の話をした。もし、このような「自作した文字反復記号」を他のFinaleファイルでも使いたいときは、「文字反復記号」にチェックを入れてライブラリを書き出す必要がある。

楽譜スタイル

「五線ツール」で設定できる、「楽譜スタイルを」呼び出すためのライブラリだ。

以前書いた「Finaleでコード譜を作ろう #2:実際にコード譜を作ってみよう」という記事の中では、自作の楽譜スタイルを適用することで、コード譜にふさわしい表記ができるように工夫をした。

こういった「自作の楽譜スタイル」を他のFinaleファイルで使いたいときは、「楽譜スタイル」にチェックを入れてライブラリを書き出せばよい。

パーカッションレイアウト

ドラム譜面を作るときは、音符を入力しやすいように、使わないパーカッション(ウッドブロックとか)を削除したりする。

※「五線の第3間の部分に対して、奏法違いのスネアが3種類も割り当てられていて、ステップ入力で音符を入力しづらい」というような状況があったりするので。

で、そういった情報は、この「パーカッション・レイアウト」という項目に反映されるようになっている。

基本図形

アーティキュレーションや図形発想記号で使う「基本図形」を呼び出すためのライブラリ。

※マニュアルにも次のように書かれている。

基本図形:(中略)〔図形作成〕ウィンドウで作成したすべての図形を保存します。

出典:ライブラリを保存ダイアログボックス

とはいえ、この項目については、ライブラリを単独で書き出す機会はないかもしれない。

なぜなら、基本図形の情報は、アーティキュレーションや図形発想記号のライブラリにも内包されているからだ。※アーティキュレーションや図形発想記号のライブラリを読み込むと、それらで使用されている基本図形の情報も、Finaleに読み込まれるようになっている。

補足:ライブラリ読み込み時の基本図形重複問題(備忘録)

最後にFinaleのライブラリを読み込むときの仕様について書いておく。

ライブラリファイルををFinaleに読み込むときは、基本的には「ライブラリ内に含まれる新しいデータ」だけが、現在開いているFinaleファイルに追加されるようになっている。※つまり、重複分のデータについては読み込みは省略されることになる。

しかし、「楽譜スタイル」と「基本図形」のライブラリだけは別で、重複して読み込まれてしまうという性質を持つ。

※Finale 25 Win版で確認しています。

「楽譜スタイル」については、この仕様でも特に問題にはならない。既存のものを消してから読み込めばいいので。

しかし、「基本図形」のライブラリがこのような仕様になっているのは、少しわずらわしいことだ。なぜなら、「アーティキュレーション」や「図形発想記号」のライブラリには「基本図形ライブラリ」に含まれる情報も内包されているので、これらのライブラリを読み込むと、基本図形のデータが重複してしまうからだ。

ライブラリに含める要素を複数まとめたり試行錯誤試してみたが、解決することはできなかった。というわけで、これは避けようがない仕様のようだ。なので、下記2点のライブラリについては、自作したもの以外を全て消した状態でライブラリを保存するのが良さそう。

  • 図形発想記号
  • アーティキュレーション

そうすれば必然的に、ライブラリ読み込み時にデータの重複が発生することはなくなる。

※この問題は、海外フォーラムでも話題になっている。

(参考)How can I save a library file without duplicating contents? :: MakeMusic Forum

Finaleでコード譜を作ろう #2:実際にコード譜を作ってみよう

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Finaleで実際にコード譜を作る手順について解説する。

1. Finaleでコード譜を作るメリット/デメリット

「譜面ソフトを持っているけど、コード譜だけは手書きで作る」。そんな人も多いかもしれない。しかし、長い目で見れば、Finaleでコード譜を作れるようにしておいたほうが便利だ。

メリット

  • 手書きのコード譜よりも表示がきれい
  • キー変更も簡単にできる(手書きの場合、ほぼ作り直し確定)
  • 小節の追加/削除も自由自在(手書きの場合、下手したら作り直し)
  • (操作に慣れれば)手書きよりも断然速く作れる

デメリット

  • コードサフィックスの仕込みに手間がかかる
  • 操作を覚えるまではスムーズに入力できない
  • 操作が上手く行かないときは、解決方法を見つけるのが大変
    • マニュアルはあまり役に立たない(読みづらい、わかりにくい、コード譜の実例もない)
    • ネット上に役立つ情報が少ない(当ブログがそうなれればいいのですが)

2. コード入力の予備知識

予備知識として、コードを入力する方法を紹介しておく。

基本的なコードの入力方法

サフィックスに登録されているコードであれば表記のとおりにキーボードで入力するだけで自動的にコードネームを生成してくれるようになっている。「♭(フラット)」は「b(小文字のB)」を入力すればOK。

例としては、次のように入力する。

  • B♭7:Bb7の順に入力する。
  • F#m7-5:F#m7-5の順に入力する。
  • G7(9,+11):G7(9,+11)の順に入力する。

「C△7」のようなコードの入力方法

「C△7」(Cメジャーセブンス)などのコードで使われる、三角形のマーク。これは、「kousakuフォント」という特殊なフォントを使っているため、キーボードの入力では表現できない。

そこで、次のように入力する。たとえば、「C△7」を入力したいときは、

  1. キーボードでC:0の順にタイプし、Enterを押す
  2. コードサフィックス一覧画面が出てくるので、「△7」を選択する。

という手順で入力すればOK。

ちなみに上記の操作で、0の代わりに特定の数字をタイプすると、そのサフィックスを即入力できる。※例えば、「△7」のコードがもし1番目に登録されている場合、「C:1」と入力すればOK。

キーボードだけで入力できない「△7」系のコードは、サフィックスの初めの方に登録しておくと入力しやすいだろう。

3. 実際にコード譜を作ってみよう

ここからは、実際にFinaleでコード譜を作ってみる。完成予定の譜面はこんな感じだ。

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この譜面を目指して作業をしていく。

3-1. Finaleを起動して準備

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あらかじめ、以下の作業をしておく。

  1. Finaleをセットアップウィザードから起動する
  2. 「小節のはめ込み」コマンドで、1段あたり4小節にする
  3. 「ページ/レイアウトツール」で1段目左の余白を詰めておく。

※やり方は、以前の記事「Finaleで童謡「ふるさと」のメロディ譜面(歌詞付き)を作ってみよう|2. レイアウト調整」で紹介しているので、そちらを参照してください。

3-2. リハーサルマークと複縦線を入力

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リハーサルマーク(A、B等の記号)は、発想記号ツール(mfのアイコン)で小節の上をダブルクリックすると入力できる。

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また、複縦線の入力方法は、以前の記事「Finaleの使い方:実際の譜面づくりでよく使う操作をまとめてみる|小節線を複縦線(二重線)に変える」で紹介したとおりだ。

3-3. コード入力の準備をする

より美しい表示を目指すため、コードサフィックスのエディットと、ルート音のフォントサイズ調整をしておこう。

※「とりあえずコード譜ができれば見栄えは気にしない!」という人は、この3-3の項目は飛ばしてもらってかまわない。

コードサフィックスを仕込んでおく

今回使うコードサフィックスは次の通り。

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比較的シンプルなコードのみを登場させている。

前回の記事「Finaleでコード譜を作ろう #1:コードサフィックスを徹底編集」を参考にしていただきつつ、上記のコードサフィックスを作成しておこう。なお、前回同様、サフィックス部分のフォントサイズは「16」に設定している。

ルート音のフォントサイズを変更

ルート音のフォントサイズは、「20」に変えて大きくしておく。これで、「フォントサイズ16で作ったコードサフィックス」と上手く合うだろう。

※ルート音のフォントサイズを変更する方法は、前回の記事「Finaleでコード譜を作ろう #1:コードサフィックスを徹底編集|1-1. ルート音の文字サイズを大きくする」で紹介している。

3-4. コードを入力していく

準備が整ったところで、いよいよコードを入力していく。コードを入力するには、「コード・ツール」(「CM7」のアイコン)を使う。

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1小節目にCのコードを入力しよう。コードツールで1小節目の1拍目の上あたりをクリックすると、カーソルが出現する。

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Shiftを押さえながら、Cをタイプする。これでCのコードが入力される。

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Tabキーを一度押すと、次の小節に移動する。そこで、「G/(スラッシュ)B」の順に入力する。これでG/Bのコードが入力される。

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※ちなみに、小節/拍の移動は次のようになっているので覚えておこう。

  • Tabキー:次の小節に移動
  • スペースキー:次の拍に移動

こんな感じですべてのコードを入力していこう。完成予定の譜面にはシンコペーションやキメの音符が書かているが、ひとまず無視。今の段階ではコードだけを入力しよう。次の画像のように仕上がっていればOK。

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ちなみに、8小節目「Dm7/G」の、分母と分子に別れている表記。これは「Dm7_(アンダーバー)G」の順に入力すればOKだ。

9小節目の「F△7」は、前述の「「C△7」のようなコードの入力方法」で説明したとおりに入力すればOK。

3-4. キメとシンコペーションを入力

次に、楽譜スタイルを変更する。普段は空の五線にしておいて、キメやシンコペーションのところだけリズム表記の音符が登場するようにしたいからだ。

基本は「全休符なし&リズム表記」に設定

まず、基本となる楽譜スタイルを設定する。

  1. 五線ツールを選択する。

    f:id:singingreed:20191022205401p:plain

  2. 小節を全て選択し(Ctrl + A)、右クリック>「楽譜スタイルの定義」を開く。

    f:id:singingreed:20191022205408p:plain

  3. 右上の「新規」ボタンをクリックし、新規の楽譜スタイルを作成する。タイトルは「リズム譜面」とでもつけておく。ここで、以下の2点を変更しておく。

    1. オプション>「未入力の小節には全休符を表示する」:チェックなし

      f:id:singingreed:20191022205412p:plain

    2. 外観>省略の記譜法:チェックあり。中の設定を「リズム表記」にしておく。お好みで符尾も上向きに。

      f:id:singingreed:20191022205417p:plain

  4. OKをクリックすると、楽譜スタイルが適用される。

    f:id:singingreed:20191022205422j:plain

以上の手順を行うと、「普段は空の五線だけど、音符を入力すればリズム表記になる」という状態を作り出すことができる

ためしに、8小節目の部分だけ、リズムのキメを入力してみよう。普通に音符を入力するだけで、リズム表記になってくれることがわかるはずだ。

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※入力する音名に関わらず、リズム表記の音符になる。

部分的に「全休符なし&リズム表記&普通の休符もなし」に

他の小節についてもキメを入力したいところだが、実は7小節目のように「拍数を無視して、いきなり8分音符を登場させる」という表記をするためには、工夫が必要だ。

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これを実現するために、「休符非表示の楽譜スタイル」を作成する。やり方は次の通り。

  1. 五線ツールで7小節目を右クリックし、「楽譜スタイルの定義」を開く。
  2. 前述のやり方と同じように、新規の楽譜スタイルを作成。先ほどの「リズム譜面」の楽譜スタイル設定に加えて、表示する項目>「休符」のチェックも外しておく。※タイトルは「リズム譜面(休符非表示)」とでもつけておく。

    f:id:singingreed:20191022205440p:plain

  3. OKをクリックすると、楽譜スタイルが適用される。

この楽譜スタイルが適用された小節では、次の画像のような入力が可能になる。

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付点2分休符、8分休符に続いて、8分音符のリズム表記を入力している。しかし、休符がグレーアウトしていることが分かるはずだ。この「グレーアウトした休符」は、実際にPDFファイルで書き出したときには表示されなくなる

この性質を利用して、リズムのキメやシンコペーションを入力していくことが可能だ。9・11・16小節目のシンコペーションやキメも、同じ楽譜スタイルを適用することで入力してしまおう。

なお、シンコペーションの部分のコードは、選択ツールでドラッグして前に移動させればOK。

3-6. 小節番号を消す&コード位置の微調整

小節番号はいらないので、消してしまおう。やり方は、以前の記事「Finaleで童謡「ふるさと」のメロディ譜面(歌詞付き)を作ってみよう|6. 小節番号の削除」で紹介したとおりだ。

最後に、「コードの位置の高さ」を調整して見やすくしておく。コードツール選択時に左に表示される、4個並びの三角形マークをドラッグして調整可能だ。

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  • 左から3番目の三角形:その段のコードの位置調整
  • 左から2番目の三角形:全ての段のコードの位置調整

という仕様になっている。※歌詞ツールと同じ仕様。

3-7.完成

これにて譜面完成。Finale上の譜面が次のような状態になっていればOK。

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PDFで出力すれば、前述の譜面(白背景)と同じデータができあがる。

おわりに

Finaleでコード譜をすらすら作るには、コードサフィックスの仕込みをしたり、細かい操作を覚えたりするのが少し大変だ。しかし、慣れてしまえば手書きよりも数段速くコード譜を作れるようになる。マスターする価値は十分あるだろう。

 

Finaleでコード譜を作ろう #1:コードサフィックスを徹底編集

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Finaleでコード譜を作るのは、少しハードルが高い作業だ。理由は、元々入っているコードサフィックスが使いづらいからだ。

※コードサフィックス:コードのルート以外の文字を表記するための、スタンプのようなもの。

デフォルトのコードサフィックスだと、

  • テンション(9thや11th)も7thも、数字の大きさが同じ
  • テンションが記載される位置が上部ではない
  • 表記が実際に現場で使われるものと違うことが多い
  • その他、細かい配慮が行き届いていない

といった課題点がある。

単純なトライアド(「C」とか「Am」とか)なら問題ないのだが、テンションコードが入ってくるような譜面だと、少し見づらくなってしまう。「売っているような譜面が作れると思ったのに……」と落胆する人もいるかもしれない。

しかし安心して欲しい、このコードサフィックスは、自分で好きなように編集できる。コードサフィックスを編集すれば、自分の思い通りにコードを表記することができるようになる。

コードサフィックスの編集は面倒な作業だが、一度サフィックスを登録してしまえば、その後は永久に使い回せる。長い目で見れば手書きでコード譜を作るよりも楽になる。

今回はコードサフィックスを編集する方法について解説してみる。

Finaleのデフォルトのコードサフィックスを確認してみる

まず、Finaleのデフォルトのコードサフィックスを確認してみよう。手順は次の通り。

  1. コードツールを選択し、譜面上の適当な場所をダブルクリックする。

    f:id:singingreed:20191021195454j:plain

  2. ウィンドウ下部の、サフィックスの「選択」をクリックする。

    f:id:singingreed:20191021195457p:plain

  3. サフィックス一覧が表示される。

    f:id:singingreed:20191021195502p:plain

ここでは、試しに2の「△7」を選択してみよう。OKをクリックすると、「C△7」のコードが譜面上に書き込まれる。

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ところが……ご覧の通り決して見やすい状態ではない。この状態だと、

  • ルート音が小さい
  • サフィックスの位置がおかしい(上すぎる)

という課題点がある。このように、Finaleのコードの多くはデフォルトでは見やすい状態とはいえない。これをできるだけ使いやすくしていく。

コードサフィックスを見やすく調整していく

1. デフォルトの文字サイズを大きくする

まずは、デフォルト(初期状態)の文字サイズを大きくすることにする。先に全体をある程度大きい文字にしておいて、小さくする必要のある文字(テンション)については、あとから部分的にサイズを落としていくという作戦で行く。

1-1. ルート音の文字サイズを大きくする

  1. メニュー>書類>「ファイル別オプション」を開く。左のリストから「フォント」を選び「コード」から「ルート」を選択し、「フォント指定」をクリック。

    f:id:singingreed:20191021224047p:plain

  2. フォントはArialのままにしておく。サイズを「20」に変更し、OKをクリック。

    f:id:singingreed:20191021195513p:plain

  3. ルート音が大きくなる。

    f:id:singingreed:20191021195518j:plain

1-2. コードサフィックスの文字サイズを大きくする

こちらが少々面倒くさい。ルート音のときとは違って、「ファイル別オプション」からフォントサイズを変更しても、既存のコードサフィックスのフォントには影響しないのだ。

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※この項目は、「新しく作るコードサフィックス」に対してのみ有効。もしゼロからサフィックスを自作するときは、ここをいじっておくと良い。

そこで、次の手順でコードサフィックスのフォントサイズを変更する。

  1. あらかじめ、デフォルトのコードサフィックスで使われているフォントを確認しておく。
    • 「△7」で使うような「△」マーク:フォントは「Kousaku」で、サイズは「20」。
    • 数字やかっこ(「m7(9)」などで使われている文字):フォントは「Arial」で、サイズは「11」。

    デフォルトでは、上記のようになっていることがわかる。これらの情報を覚えておく。

  2. コードツールを選択>メニュー>コード>「サフィックス・フォントの変更」と進む。ここでは、「フォント情報を元に対象を絞り込み、一括で指定のフォントサイズに変更する」という作業を行う。先ほど覚えたフォント情報を元に、次のように作業すればOK。
    • 「△」マークのフォントサイズ変更:サイズを「20→28」へ拡大する。画像のようになっていればOK。

      f:id:singingreed:20191021195558p:plain

    • 数字やかっこのフォントサイズ変更:サイズを「11→16」へ拡大する。画像のようになっていればOK。

      f:id:singingreed:20191021195602p:plain

  3. フォントサイズが良い感じに変更される。

    f:id:singingreed:20191021195605j:plain

2. コードサフィックスを調整していく

フォントサイズがちょうどよくなったので、次はサフィックスの位置調整を行う。

2-1. 「△7」系のコードの微調整

まずは「△7」系コードについて、サフィックスの位置を正しく設定する。

  1. 「コードサフィックスの選択」ウィンドウを開く(開き方は前述の通り)。「△7」というサフィックスを選択し、「編集」をクリックする。

    f:id:singingreed:20191021195609p:plain

  2. 「コード・サフィックス編集」ウィンドウが開く。コードサフィックスに関しては、「数値を指定する」か「文字のハンドルをドラッグする」ことで文字の位置を調整できるようになっている。お好みの状態になるように、文字の位置を調整していく。
    • 「△」に関しては、「縦」の値を「0.0625」に減らすと、ルート音と揃いそう。今回はこの値にしてみる。

      f:id:singingreed:20191021195613p:plain

    • 「次へ」をクリックし、「7」の位置を調整する。「7」に関しては、「縦」の値を「0.01042」に減らすと、ちょうどよい高さになりそう。今回はこの値にしてみる。

      f:id:singingreed:20191021195617p:plain

    OKをクリックし、コードサフィックス編集の結果を反映させる。
  3. 「キャンセル」を2連続でクリックし、「コードサフィックスの選択」「コード定義」ウィンドウをそれぞれ抜ける。
  4. コードサフィックスの位置調整が反映されている。良い感じになった。

    f:id:singingreed:20191021195621j:plain

2-2. テンション部分を調整

続いて、テンションコードのテンション表記の位置を調整したい。「G7(9)」のようなテンションコードを記す場合、「(9)」の部分は

  • 文字を小さくしたい
  • 少し上の方に書きたい

と考える人が多いと思う。そこで、テンション部分については、フォントサイズを「12」に下げることにする。使用するフォントをまとめると、次のようになる。

文字の種類 フォント サイズ
Kousaku 28
m(マイナー)や7(セブンス) Arial 16
かっこやテンションの数字 Arial 12

※今回は、ひとまずこのルールでコードサフィックスを調整していきます。

例として、「7(9)」のテンション部分を調整してみよう。

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  1. かっことテンション音のフォントサイズを、それぞれ「12」に変更。文字の位置についても、それぞれ調整する。※「横の位置はドラッグして調整」「縦の位置は値をコピペして揃える」という風に、工夫するとよい。

    f:id:singingreed:20191021195631p:plain

  2. OKをクリックし、コードサフィックス編集の結果を反映させる。テンション部分が適切に(小さく&上のほうに)表示されるようになった。良い感じ。

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3.新しくコードサフィックスを登録&要らないものを削除する

これまでの作業を応用すれば、好きなコードサフィックスを自由に登録していくことができる。例えば、「G7(9,13)」みたいなコードを入力したくなったとしよう。そんなときは、次の手順でコードサフィックスを新規作成すればよい。

  1. コードサフィックスの選択ウィンドウを開く。
  2. さきほど作った「7(9)」のサフィックスを選択し、「複製」をクリック。

    f:id:singingreed:20191021195641p:plain

  3. コードを表現するのに必要な文字を、「1文字ずつ」入力していく。※めんどくさいけど頑張る。

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    • 文字の位置を調整する。※高さの調整は、「縦」の数値をコピペして同じ値にすると早く済む。
    • フォントサイズも、他のテンションと同じサイズ(今回は「Arial 12 標準)」)になるように設定する。※これを怠ると、あとからテンション部分の大きさを一括変更できなくなるので、きちんとやっておく。
  4. OKをクリックし、コードサフィックス編集の結果を反映させる。新しいサフィックスができている。

    f:id:singingreed:20191021195645p:plain

  5. 新しいサフィックスでコードが入力できるようになる。

    f:id:singingreed:20191021195649j:plain

この調子で、使いたいコードサフィックスをどんどん登録していこう。上記のように、既存のコードサフィックスを複製してから調整していくのがオススメだ。

なお、デフォルトのコードサフィックスの中には、普通の譜面では使わないようなものも多く含まれている。そこで、いらないコードサフィックスは、思い切って消してしまおう。

既存のコードサフィックスを使おうとすると、フォントサイズを変更するのが手間だったりするし、コードサフィックスは自作したほうが作業がはかどると思う。

後からコードのフォントサイズを変える方法

1. 手っ取り早くコードのフォントサイズを変える方法

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  1. メニュー>書類>「ファイル別オプション」ウィンドウを開く。
  2. 左のリストの「コードネーム」を選択し、「ファイル全体のコードサイズ」の「コードネームの拡大縮小率」のパーセンテージを変更する。

この方法は、手っ取り早くコードの表示サイズを変更できるのでお手軽。しかし、大幅に(150%とか)フォントサイズを変えると表示が崩れてしまう。あくまで微調整に使うようにする。

2. 正確にコードのフォントサイズを変える方法

ルート部分と、コードサフィックス部分。それぞれ別の方法でフォントを変更する必要がある。

コードサフィックスに関しては、前述の通り、「使われているフォントを抽出し、そのフォントサイズを変更する」という方法を取ることになる。したがって、使われているフォントがバラバラだと一括で変更できなくなり、困ることになる。なので、「2-2. テンション部分を調整」で記述したように、

  • テンションで使うフォント
  • それ以外で使うフォント

を、それぞれきちんと決めておくのがオススメ。

自作したコードサフィックスはライブラリに書き出そう

自作したコードサフィックスを他のFinaleファイルでも使うには、コードサフィックスの情報を「ライブラリ」として書き出す必要がある。

  1. メニュー>ファイル>「ライブラリを保存」と進む。
  2. 「コードネームとフレットボード」にチェックし、OKをクリック。

    f:id:singingreed:20191021195653p:plain

  3. 保存先を決めて、ファイルを保存する。

これで、拡張子「.lib」のFinaleファイルに、コードサフィックスの情報が保存された。

これを読み込む手順は次の通り、

  1. 新規Finaleファイルを立ち上げる。
  2. メニュー>ファイル>「ライブラリを開く」から、保存したライブラリファイルを読み込む。

これでコードサフィックスの情報が読み込まれる。

おわりに

Finaleでコード表記をするには、面倒で手間のかかる下準備が必要になる。しかし、市販の楽譜の多くもFinaleで作られていることを考えれば、楽譜を作るプロの人だって、たぶん同じように地道に設定していると思う。

そんな地道な作業を少しでも効率化するために、今回の記事を役立ててみてほしい。Finaleのコード入力で苦労する人が一人でも減ってくれればと思う。

Finaleで「1番&2番かっこ」「D.S/セーニョ」「to Φ/Φ Coda」が付いた譜面を作ってみよう

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はじめに

日本のポピュラー音楽の楽譜には、「to Φ」「Φ Coda」のような表記が出てくることが多い。

※Φ:当記事では「ヴィーデ」のマークを表します。

参考:反復記号 - Wikibooks

しかし、Finaleでこのような表記をする場合、少しややこしい手順を踏む必要がある。そこで今回は、例として次の譜面を作成する流れを解説してみる。

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念のため説明すると、この譜面は次のように進行していく。

  1. 1~4小節目まで演奏した後、リピートマークで冒頭(=1小節目)に戻る。
  2. 1~3小節目まで演奏した後は、4小節目(1番かっこ)を飛ばして、5小節目(2番かっこ)に飛ぶ。
  3. 5~6小節目を演奏したら、「D.S.」(ダルセーニョ)の記号があるので、セーニョ(Sに斜線と点2つが付いた記号)のある「1小節目」に戻る。
  4. 1~2小節目を演奏したら、「to Φ」の記号があるので、「Φ Coda」(7小節目)に飛ぶ。
  5. 7~8小節目を演奏して曲が終了。

この譜例では、

  • 1番かっこ&2番かっこ付きのリピートマーク
  • D.S./セーニョ
  • to Φ/Φ Coda

といった、くり返し表記でよく使う記号が登場する。多くのポピュラー向け譜面で使う表記なので、ぜひ入力方法をマスターしておきたい。

譜面を作成する手順

0. 下準備

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まずは下準備として、発想記号ツールを使ってリハーサルマークを記入しておく。1小節目に「A」、5小節目に「B」と入れておこう。

それから以下の2つの操作をやっておこう。

  • ページレイアウトツールで、1段目の五線の左側の余白を詰めておく。
  • 1段あたり4小節になるように、「小節のはめ込み」コマンドを設定する。

※いずれの操作も、詳しいやり方は以前の記事で紹介している。→ Finaleで童謡「ふるさと」のメロディ譜面(歌詞付き)を作ってみよう|2. レイアウト調整

1. 1番かっこ&2番かっこ付きのリピートマークを作成

「1番かっこ&2番かっこ付きのリピートマーク」を作成する。手順は次の通り。

  1. 4小節目をクリックして選択する。

    f:id:singingreed:20191015224103j:plain

  2. 小節の上で右クリック>反復記号>「反復小節線(1,2番括弧付き)の作成」をクリック。

    f:id:singingreed:20191015224107j:plain

  3. 4~5小節目に、「1番かっこ&2番かっこ付きのリピートマーク」が挿入される。

    f:id:singingreed:20191015223908j:plain

2. D.S.とセーニョの入力

6小節目に「D.S.」、1小節目にセーニョを入力する。下準備として、6小節目終わりの小節線を「複縦線」に変えておこう。

※やり方は以前の記事で紹介している。→ Finaleの使い方:実際の譜面づくりでよく使う操作をまとめてみる|小節線を複縦線二重線に変える

2-1. D.S.の入力

  1. 「反復記号ツール」を選択し、D.S.を記入したい場所でダブルクリックする。

    ※「D.S.」が入る位置の、「D」の左下あたりでダブルクリックすると、ちょうど良い位置に挿入できる。

    f:id:singingreed:20191015223912j:plain

  2. 「文字反復記号」のリストから「D.S.」を選び、「選択」をクリック。

    f:id:singingreed:20191015223916p:plain

  3. 動作を「つねに飛ぶ」、飛び越し先を「指定小節:1」と設定。OKをクリックする。

    ※ちなみにこの「動作」とは、Finaleの再生ボタンを押したときの挙動に関係してくる項目だ(印刷用の譜面を作るだけならあまり関係ない)。

    f:id:singingreed:20191015223921p:plain

  4. D.S.が挿入される。

    f:id:singingreed:20191015223931j:plain

2-2. セーニョの入力

  1. 同様に、反復記号ツールを選択し、セーニョを入力したい場所でダブルクリック。リストからセーニョ記号を選んで「選択」をクリック。

    f:id:singingreed:20191015223936p:plain

  2. 動作は「なにもしない」を選び、OKをクリック。

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  3. セーニョが挿入される。

    f:id:singingreed:20191015223946j:plain

3. to Φ/Φ Codaの入力

2小節目の終わりに「to Φ」、7小節目のはじめに「Φ Coda」を入力する。ただし、この「to Φ」「Φ Coda」の入力は少し面倒。ひとつずつ解説して行くので、手順を追って確認してみてほしい。

3-1. to Φの入力

  1. 反復記号ツールを選択し、「to Φ」を入力したい場所(今回は2小節目の右端の上部)でダブルクリックする。
  2. あらかじめ、「Φ Coda」へ飛ぶための準備をしておく必要がある。リスト内で、「Φ(ヴィーデの記号)」が上から何番目にあるかを覚えておく

    ※覚えておくだけでいい。特にクリックとかはしない。

    f:id:singingreed:20191015223951p:plain

  3. リストから「to #」を選び、「選択」をクリックする。

    f:id:singingreed:20191015223956p:plain

  4. 動作を「3回通過したら飛ぶ」(=「3回目の通過時に飛ぶ」の意)、飛び越し先を「文字反復記号ID:(先ほどの番号)」と入力する。OKをクリックする。

    f:id:singingreed:20191015224001p:plain

  5. 「to Φ」の記号が挿入される。

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3-2. Φ Codaの入力

実は、「Φ Coda」という記号はFinaleには入っていない。そこで、「Φ」と「Coda」を併記することで、「Φ Coda」の表記になるようにする

  1. 反復記号ツールを選択し、「Φ」を入力したい場所でダブルクリックする。リストから「Φ」記号を選んで「選択」をクリック。

    f:id:singingreed:20191015224011p:plain

  2. 動作は「なにもしない」を選び、OKをクリック。

    f:id:singingreed:20191015224015p:plain

  3. 「Φ」記号が挿入される。

    f:id:singingreed:20191015224019j:plain

  4. 同様に反復記号ツールを選択し、「Coda」を入力したい場所(※Φの右横)でダブルクリックする。
  5. 「Coda」という記号は無いので、自分で作る。「作成」をクリックする。

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  6. 「反復記号の文字」に「Coda」と入力し、OKをクリック。

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  7. 生成されたCodaをリストから選び、「選択」をクリックする。

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  8. 動作は「なにもしない」を選び、OKをクリック。

    f:id:singingreed:20191015224015p:plain

  9. 「Coda」が挿入される。「Φ」の右横、ちょうどいい位置に来るようにマウスで位置調整する。

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Φ Codaを入力する手順は以上。ご覧の通り、けっこう面倒だ。

なお、「テキストツール(Tマークのアイコン)で『Coda』と入力した方が速いんじゃないの?」と思う人もいるかもしれないが、この方法だと「小節のレイアウトが変わると位置がずれる」という欠点がある。記号が小節にくっついた状態で動くようにするためには、やはり反復記号ツールを使ったほうが使い勝手がよい。

4. 完成

あとは、いらない小節を選んでDeleteキーで削除すれば、譜面完成。冒頭で紹介した画像をもう一度貼ってみる。

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上記のようになっていればOKだ。

補足:「D.S./セーニョ」や「to Φ/Φ Coda」が複数出てくる場合

「D.S./セーニョ」や「to Φ/Φ Coda」が複数出てくる場合、番号をつけたくなることもあるだろう。

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そんなときは、「丸数字」を反復記号に登録してやればOK。手順は、3-2. Φ Codaの入力で説明した、「Φ Coda」の記号を作るやり方と同じだ。こうすれば、テキストツールで書くのとは異なり、たとえ後から小節が途中に挿入されても、一緒に記号が動いてくれる。

※ただし、同一文字を複数登録することはできない。同じ記号を複数回使う場合は、ジャンプ先を#ではなく、小節番号で指定する必要があることに注意。

おわりに

今回は、Finaleで繰り返し表記をする方法について解説した。「1番&2番かっこ」「D.S/セーニョ」「to Φ/Φ Coda」といった表記は頻出なので、ぜひFinaleで表現できるようにしておきたい。

Finaleの使い方:実際の譜面づくりでよく使う操作をまとめてみる

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「内容が膨大なのに、どこを読めばいいのか全然分からない……」。そんなFinaleマニュアルの弱点をカバーすべく、実際の譜面づくりでよく使う操作方法を僕なりにまとめてみる。

僕はバンド向け/ポップス向けの譜面を作ることが多いため、まとめた内容には多少偏りがあるかもしれないことを先にお断りしておきたい。全てに目を通す必要はないので、目次から気になるトピックだけを選んで、つまみ食いするように記事を読んでいってもらえればと思う。

紹介する操作の多くは、画像やGIF動画付きで紹介している。理解の助けになると思うので、ぜひクリックして拡大してご覧いただきたい。

なお、初歩的な内容に関しては別の記事で紹介している。

先に目を通してもらったほうが効率的にFinaleを学べると思うので、まだの方はぜひご一読を。

1. 音符の操作

連符の入力

3連符は連符機能をオンにして普通に入力すればOK。

5連符や7連符の場合は、次の手順で入力する。

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  1. まず16分音符で音を1個入力する。
  2. 連符機能をオンにして、最初の音符をShift + クリックして連符の設定。
  3. その後、休符を上書きするように残りの音符も入力する。

スラーを入力する

変形図形ツールを選択し、ダブルクリックしてドラッグでOK。

※詳しくは童謡「ふるさと」の譜面作成記事で紹介している。→ Finaleで童謡「ふるさと」のメロディ譜面(歌詞付き)を作ってみよう|3-2. スラーの入力

スタッカートを入力

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「アーティキュレーション・ツール」(アクセントが付いた全音符のマーク)を選択し、Sキーを押しながら音符をクリック(or ドラッグ)。ドラッグすれば複数の音符にスタッカートを付けられる。

スタッカートの位置を上に固定(リズム表記時など)

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  1. アーティキュレーションツールを選択し、何か適当な音符をクリックする。「アーティキュレーション選択」ウィンドウが開く。
  2. アーティキュレーション一覧からスタッカートを選択し、「編集」をクリック。
  3. 「位置」を「自動判別」→「音符の上」と変更する。

リズム表記のときに使うとよい(デフォルトだと符尾が常に下を向いているので)。

連桁の傾きを調整する

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  1. メニュー>ウィンドウ>「道具箱ツール・パレット」にチェック。道具箱ツール・パレットを表示させる。
  2. 「連桁調整ツール」を使うと、連桁の傾きを調整できる。
  • 連桁:短い音符(8分音符以下)を複数連結させるための横線のこと。

音符のサイズを小さくする(五線はそのまま)

  • 複数小節の音符をまとめて小さくする:小節を選択後、メニュー>「ユーティリティ」>「変更」>「音符サイズ」より調整する。
  • 任意の音符を1つ小さくする:「サイズ・ツール」(%の記号)を選択し、音符をクリックしてサイズを変更する。

※マスターリズム譜面の中で、「フレーズを指定する書き譜」を添えるときなどに使うと良さそう。

2. 小節の操作

小節を前後の段にスライドさせる

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小節を選択し、)を押すと、前(次)の段に小節をスライドできる。

一段あたりの小節数を変える

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メニュー>ユーティリティ>「小節のはめ込み」から設定可能。

小節線を複縦線(二重線)に変える

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小節を右クリック>小節線>「複縦線」と進むのが一番速い。

※「小節ツール」を選択し、「小節線のスタイルを変えたい小節」をダブルクリックして変更する方法もある。

リピート記号を作成する

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  1. リピートさせたい小節の区間を選択する。※Shift + クリックで複数小節選択可
  2. 選択範囲を右クリック>反復記号>「反復小節線(ストレート)の作成」or「反復小節線(1,2番括弧付き)の作成」

と進むのが一番速い。

リピート記号を羽根付きに変える

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メニュー>書類>「ファイル別オプション」のウィンドウを開く。左リストから「反復記号」を選び、「ウィング・スタイル」を「曲線」に変更する。

  • セッション現場で使うような譜面で使ったりする。

3. 楽譜の操作

アウフタクト(弱起)の設定

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メニュー>書類>「弱起の設定」から設定する。この操作によって「先頭小節の拍数」が変更される。※新しく小節が追加されるわけではないので注意。

  • アウフタクト(弱起):曲が1拍目以外から始まること。

楽器を追加する(パートを増やす)

  1. メニュー>ウィンドウ>「スコアマネージャー」を開く。「楽器リスト」タブを開く。
  2. 「楽器追加」ボタンをクリックする。普通の五線を追加する場合は、「空五線」を追加すればよい。3列あるリストの右端の、「空五線」をダブルクリックする。 

    f:id:singingreed:20191013122006j:plain

  3. 新しいパートが追加される。 

    f:id:singingreed:20191013122010j:plain

※追加したパートを消したい時は、スコアマネージャーの上部リスト右端にある×マークをクリックすればOK。

五線のグループを括弧でくくる

  1. 五線ツール(ト音記号のアイコン)を選択して、メニュー>五線>グループ>「グループ化」と進む。
  2. 括弧でくくる対象となる、「先頭五線」と「最終五線」を正しく設定する。下の方にある「括弧の設定」は好きなスタイルを選択。OKをクリックする。 

    f:id:singingreed:20191013122013j:plain

  3. 五線が括弧でくくられる。 

    f:id:singingreed:20191013122016j:plain

五線のグループ化を解除する

五線をくくっている括弧をクリックして選択し、Deleteで削除すればOK。

「括弧でくくられていないグループ」のグループ化を解除する場合は、次のいずれかの方法を取る。

  • 五線ツールを選択し、括弧がある部分のハンドルをクリックして選択し、Deteleで削除する。
  • グループ化を解除したい小節をすべて選択する。五線ツールを選択して、メニュー>五線>グループ>「グループ化解除」と操作する。

要素を別のレイヤーに移動/コピーする

  1. 別のレイヤーに移動させたい小節を選択する。
  2. メニュー>編集>「レイヤー移動/コピー」を開く。
  3. 移動させたいレイヤーにチェックを入れて、移動先を選び、OKをクリック。 

    f:id:singingreed:20191013122020j:plain

4. 譜面の表示

演奏していない小節を非表示にする(コーラスパートの譜面など)

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  1. 五線ツールを選択し、小節を選択する(Ctrl+Aで全て選択してOK)。
  2. メニュー>五線>「空の五線を隠す」と操作。
  3. 「1小節も演奏していないパートがある段」については、その「演奏していないパート」が表示されなくなる。

小節番号を消す

童謡「ふるさと」の譜面作成記事で紹介している。→ Finaleで童謡「ふるさと」のメロディ譜面(歌詞付き)を作ってみよう>6. 小節番号の削除

小節番号を一時的に非表示にする

  1. 小節をすべて選択する。
  2. 小節ツールを選択し、メニュー>小節>「小節番号を隠す」と操作を実行する。

※ただし、この操作の後に新しく小節をを追加した場合、それらの小節には小節番号が表示される。小節番号を使う予定がない場合は、前述の方法で小節番号を消してしまったほうが楽。

音部記号(ト音記号など)を1段目にだけ表示する

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  1. メニュー>書類>「ファイル別オプション」のウィンドウを開く。
  2. 「音部記号」の項目を選び、「音部記号を最初の段にのみ表示」にチェック。

三連符に括弧を付ける

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小節を選択後、ユーティリティ>変更>「連符」のウィンドウを開き、「つねに図形を表示」にチェック。

5. 文字や記号の入力

五線名(=パート名)を変更/削除する

五線の左側に表示されているパート名を、変更/削除する方法。

  1. メニュー>ウィンドウ>「スコア・マネージャー」と進む。
  2. [楽器リスト]タブ>「正式五線名」より編集可能。※文字を削除すれば、パート名は消える。

※MIDIデータをインポートしたときなど、意図しないパート名が付いてしまっているときに使うとよい。

曲のタイトルを変える

次の2通りのやり方がある。

  • タイトルが入力されているテキストボックスを編集する。
  • メニュー>ウィンドウ>スコア・マネージャーから編集する。

通常のテキストボックスとは異なり、スコアマネージャー内の文字を変更すると、それに連動してFinaleの楽譜上の文字も変更されるようになっている。※逆もまた然り。

テンポ、リハーサルマークの入力

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発想記号(mfマーク)から入力を行う。

  • 「Gt.Solo」など、ポピュラー向きのリハーサルマークが欲しいときは、自分で作成すればOK。

8va、8va bassaの入力

8vaの入力:

  1. 変形図形ツール(クレッシェンドのマーク)を選択し、右端のパレットより「8vaツール」を選択する。
  2. 適用させたい小節の上部分をドラッグする。

    f:id:singingreed:20191013122033j:plain

8va bassa の入力:

  1. 変形図形ツールを選択し、メニュー>変形図形>「変形図形オプション」を開く。
  2. 「記号」から「1オクターブ下(8vb)」を選び、「選択」をクリック。

    f:id:singingreed:20191013122037j:plain

  3. 「va bassa」というキャラクターを選択し、「選択」をクリック 。

    f:id:singingreed:20191013122040j:plain

  4. 適用させたい小節の下部分をドラッグする。

    f:id:singingreed:20191013122044j:plain

テンポを変更する

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テンポの記号を右クリック>「文字発想記号定義の編集」より変更可。

歌詞番号の入力

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  1. 歌詞ツールを選択し、メニュー>歌詞>「シラブル調整」にチェックする
  2. 文字のハンドルを右クリックし、「歌詞番号を付ける」。

グリスダウン・アップの入力

ピアノやハープの譜面で使うような、「行き先が決まっているグリッサンド記号」は、変形図形ツール内のパレットを使って、普通に入力すればOK。

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では、トランペットの「フォール」や「ドゥイット」のように、「終点(始点)のピッチ指定がないグリッサンド」を入力するにはどうすればいいか。手順は次の通り。 

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  1. 変形図形ツールを選択し、スラーツールを選択する。
  2. メニュー>変形図形>「拍に割り付け」にチェックする。※デフォルトだと「音符に割り付け」になっている。
  3. 音符と、音符の左下(右下)のスペースをドラッグしてつなげればOK。※スラーの形状は変更できるので、お好みの形に調整しよう。

(参考)スラー(Finaleユーザーマニュアル)

削除したスコアマネージャーのテキスト(作曲者、タイトル等)を復活させる

譜面上には、はじめは「タイトル」や「作曲者」といったテキストボックスがある。

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これらのテキストボックスは、クリックしてDeleteで消せる。ただ、もし

  • 「じゃまだから消しちゃったけど、やっぱりタイトルを入力し直したい……」

となったときは、どうすればよいのか。

復活させる方法は次の通りだ。

  1. テキスト・ツール(Tマークのアイコン)を選択し、適当な場所をダブルクリックする。文字入力中の状態になる。
  2. そのまま、メニュー>文字>挿入より、復活させたい項目を選択。

    f:id:singingreed:20191013122053j:plain

  3. そのまま文字を入力。こうして復活させた項目は、スコアマネージャーの「ファイル情報」タブの内容とも連動するようになる。

※なんでこんな裏技っぽい仕様にしたんだろう……

デフォルトのフォントを変更

入力済みの文字のフォントを変える方法は、童謡「ふるさと」の譜面作成記事で説明したとおり。→ Finaleで童謡「ふるさと」のメロディ譜面(歌詞付き)を作ってみよう|5. フォントの変更

では、これから入力する文字について、あらかじめ好きなフォントに変えておくにはどうすればいいのか?手順は次の通り。

  1. メニュー>書類>「ファイル別オプション」と進む。
  2. 左のリストから「フォント」を選び、設定を変更する。

    f:id:singingreed:20191013122057j:plain

なお、このフォント設定画面。「歌詞」「テキスト」「楽譜関係」「コード」の4項目あるように見えるが、これらは大項目を表していることに注意。それぞれ中に小項目があり、個別にフォントを設定できるようになっている。フォントが反映されないからといって焦らないように。

※この辺り、もう少し分かりやすいUI設計をしてくれると良いのだが。

6. レイアウト調整

五線譜1段目左のスペースをなくす

童謡「ふるさと」の譜面作成記事で紹介している。 → Finaleで童謡「ふるさと」のメロディ譜面(歌詞付き)を作ってみよう|2-1. 1段目の左の余白を消す

五線どうしの間隔を調整する

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  1. ページ・レイアウトツール(用紙が2枚重なってるアイコン)を選択した状態で、組段を右クリックし、「マージン編集」を開く。
  2. 間隔を調整したい組段を指定する。今回はすべての五線の間隔を一律で広げたいので「すべてを選択」をクリック。
  3. 各チェックボックスのうち、「下」のみにチェックを入れて、数値を増やす。※フォーム内に新しい数値を入力すればOK。
  4. 「適用」をクリックすると、五線同士の間隔が広がる。※すべての組段について下部マージンの値が増えるので。

音符のスペーシングを変える

  1. 小節ツールを選択し、小節右側に付いている「上から2番目のハンドル」をクリックする。
  2. ガイドが現れるので、下側のポイントをドラッグして、音符の位置を調整する。f:id:singingreed:20191010181844p:plain
  • 「アルペジオ記号を入力するために、音符の左側のスペースを開けたいとき」などに使うとよい。

五線の縦幅を小さくする

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「複数パートのうち、1パートだけ五線の縦幅を小さくしたい」ときは、次の操作を行えばOK。

  1. サイズツール(%のアイコン)を選択する。
  2. 「縦幅を小さくしたい五線」の上で右クリックし、「五線の拡大縮小」と進む。
  3. 拡大縮小率のパーセンテージを変更して、OKをクリックする。

1段あたりの小節数を減らす@小節幅固定

このテクニックが必要となる背景

バンド用の譜面を作るときは、リハーサルマークを左端に固定させたい(そのほうが曲の構成を把握しやすいので)。そのためには、基本的に「1段あたり4小節」でレイアウトするのがよい。

※各セクションの小節数は4の倍数になっていることが多いので。

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ただし、曲の各セクションが4小節の倍数になっていないこともある。たとえば、ある曲のAメロが7小節だったとしよう。もしAメロの5~7小節(3小節)を1段に収めれば、リハーサルマークの位置は左側に維持できる。しかしながら、その際「1小節あたりの小節幅」は広がってしまうことになる。

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仮に手書きの譜面なら、1段を4等分して、4つ目の小節にバツ印を付けて空白にすれば、小節の幅を広げずに済むのだが………一定の小節幅で譜面を作るにはどうすればよいのか?手順は次の通りだ。

やり方

  1. メニュー>ユーティリティ>「小節のはめこみ」を利用して、あらかじめ「1段に含める小節数」を望み通りに指定しておく。

    f:id:singingreed:20191013122111j:plain

  2. ページ・レイアウトツールを選択し、組段の右下にあるハンドルを、Shiftを押しながら左にドラッグ。適当な位置で離す。

    f:id:singingreed:20191013122118j:plain

  3. 「本来4つ目の小節があるはずの部分」を空白にすることができる。 

    f:id:singingreed:20191013122122j:plain

    これにて、
    • 小節の幅を一定にすること
    • 左端にリハーサルマークを固定すること
    の2点をクリアすることができる。めでたしめでたし。

空白のページを挿入する

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ページ・レイアウトツールを選択し、メニュー>ページレイアウト>「空白ページの挿入」から設定する。

メモ書き用のスペースとして活用すると便利。

DTMがはかどるAmazonの商品:快適な環境を生み出してくれるアイテムを10個紹介

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音楽機材・ソフト以外にも、DTMをするために必要なものは意外と多い。そして、それらのアイテムの多くは、やはり今の時代Amazonでお得に買うことができる。

Amazonは良いところだ。どの商品も価格が安いし、レビューも豊富で商品を選びやすい。万が一不良品を引いてもスムーズに返品ができる。我々ユーザーは安心して買い物ができる。

今回は、Amazonで買える商品の中で、DTM環境を構築するのに役立つものを紹介する。僕がAmazonで買ってよかったと思っている商品を中心に紹介していきたい。

1. SSD

SSDを導入すれば、手っ取り早くパソコンを高速化できる。近頃はすっかり価格も下がったので、まだ持っていない人は導入してしまおう。音楽制作環境において、SSDに換装する効果が大きいのは、

  1. 大容量ソフト音源のライブラリ用ドライブ
  2. 起動ドライブ(OSのインストール先)

の順だ。ピアノ音源やストリングス音源のような大容量音源のライブラリは、優先的にSSDに入れるとよい。サンプルのロードが目に見えて高速化される。

起動ドライブもSSDにしておくと快適。プロジェクトファイルのロードや、パソコンの起動自体が速くなる。

ライブラリ用のSSDは1TB程度は欲しいところ(手持ちの音源次第だが)。起動ドライブは256GB程度でもOK。

2. HDD + 外付けHDDケース

楽曲のデータは貴重な財産なので、バックアップはきちんと取っておきたい。バックアップは基本的にHDDに取っておけばOKだ。容量は4TBもあれば、余裕を持ってバックアップすることが可能だろう。読み書き速度は問わないので、回転数は5400rpmもあれば問題ない。

※読み書き速度が必要なときは、HDDではなくSSDを使う。

内蔵HDDと外付けHDDケースを組み合わせれば、USB3.0仕様の外付けHDDを自分で作ることもできる。

市販の外付けHDDを買うのと比べて、

  • 低コスト
  • ケース or HDDのどちらかが壊れても修理(交換)可能

といったメリットがある。僕は上記の商品2点、Western DigitalのHDDと玄人志向の外付けHDDケース「GW3.5AA-SUP3/MB」を組み合わせて使っているが、問題なくUSB3.0の外付けHDDとして使うことができている。

3. トラックボール

DAW作業などでパソコンを長時間使う場合、マウスよりもトラックボールのほうが疲れにくいので良い。僕のお気に入りは、ロジクールのトラックボール。ドライバの安定性の高さと、価格の安さが魅力だ。チャタリングを起こしやすいのが玉にキズだが、手厚い3年保証でカバー可能だ。

ロジクールのトラックボールには、代表的な2つの機種がある。

  1. 人差し指でボールを動かすタイプ:TM-150r
  2. 親指でボールを動かすタイプ:M570t

僕のオススメは人差し指タイプの「TM-150r」。親指よりも細かい操作がやりやすいので、DAW操作には向いていると感じる。

とはいえ、マウスから乗り換える人は、操作感が似ている親指タイプの「M570t」のほうが良いという人もいるかもしれない。M570tの方が売れ行きの良い人気モデルなので、じっくり比較してみることをオススメする。

どちらにせよ、トラックボールは圧倒的に疲れにくいので、ぜひ導入することをオススメします。

4. マウスパッド

「トラックボールならマウスパッドは要らないんじゃないの?」と思うかもしれないが、トラックボールのお供に良いマウスパッドがある。

それがこの、「エレコム MP-095BK」。なんといっても、リストレストが付いているのが大きい。これによって、

  • 手首のクッションになってくれる
  • 手首の位置を高くしてくれる → 指の動きが楽になる

といったメリットが出てくる。 比較してみると、明らかにマウスパッドがあったほうが操作がしやすいことが分かるはずだ。

このMP-095BKはもちろん普通のマウスを載せて使うこともできるので、マウス派の人にもオススメだ。

僕は8年前くらいに買ったのだが、未だに売れ行きが好調なロングセラー商品だ。ユーザーから高く評価されていることが分かる。

5. オフィスチェア

DTMで音楽制作をする場合、良いオフィスチェアに座ることが重要だ。

音楽制作者は、座った状態で長時間の作業をする必要がある。パソコンの操作、MIDIキーボードの演奏、楽曲のプレイバック(試聴)。いずれもイスに座ってやる作業だ。

しかし、「椅子に座る」というのは、ただでさえ体に負担がかかる行為。疲れが溜まるのはもちろん、肩こりや腰痛といった症状も招きやすい。

そこで、思い切って高級オフィスチェアを買うことをオススメしたい。僕は一日12時間は椅子に座って作業をしているが、アーロンチェアを導入して以来、疲労度が劇的に減ったことを強烈に覚えている。

良いオフィスチェアは高価だ。しかし、決して高い買い物にはならない。なぜなら、体は最も大切な資本だからだ。

ここではオススメのオフィスチェアを3つ紹介する。僕が普段使っているものや、一度でも座ったことがあって、品質が高いことが分かっているものを紹介する。

アーロンチェア

高級オフィスチェアの中では最も有名な商品のひとつ。作曲家やエンジニアなど、音楽関係者の使用率も高い。僕もこのアーロンチェアのユーザーだが、初めて座ったときの感動は今でも忘れられない。まるで体が宙に浮かんでいるような、快適な座り心地に驚いたのをよく覚えている。

アーロンチェアは、正規代理店で購入すれば12年保証が付いてくるのが魅力。※Amazonもハーマンミラーの公式サイトにて、「販売ディーラー(オンライン)」として取り上げられているので安心だ。

(参考)オンラインで購入 - ハーマンミラー

リマスタード版になって価格が上がってしまったのが惜しいが、今なおオフィスチェア選びの有力候補として強い存在感を放つ商品だ。

バロンチェア

オカムラ(岡村製作所)が展開する国産のオフィスチェアだ。こちらも座り心地がとても良い。国産ということもあって、日本人の体型にフィットしたサイズ感になっているように感じる。スリムな体系の人であれば、アーロンチェアよりも体に合うことも多いかもしれない。

エルゴヒューマン プロ

昨今、音楽制作者の間で、かなりのハイペースで普及しているのがコレ。エルゴヒューマンのオフィスチェアだ。座ってみると、その名の通り、人間工学(ergonomics)を考えて作られていることが分かる。ヘッドレストが付いているのが特徴的。

6. コーヒー

集中力を上げるため、眠気を覚ますため、カフェインを摂取したい。音楽制作のお供にコーヒーはオススメだ。エナジードリンクと効果はさほど変わらないのに、はるかに安く済む。コーヒーのほうが断然コストパフォーマンスは高い。

ゴールドブレンドはお湯を注ぐだけで作れるお手軽さが魅力。にもかかわらず、他のインスタントコーヒーのように味がイマイチということもなく、味も良質なのがスゴい。

ブラックで飲みたい人は普通のビン入りゴールドブレンド。甘味を加えたい人はゴールドブレンドスティックコーヒーを飲もう。

なお、よくデスクに飲み物をおいて作業をしている人を見かけるが、こぼすリスクを考えるとおすすめできない。パソコンも音楽機材も楽器も、水が掛かっただけでダメージとなる(即刻故障につながるような深刻なダメージとなることもある)。

コーヒーを飲むときくらいはオフィスチェアから立ち上がり、ひとときのティータイムにしよう。

7. Kindle Unlimited + iPad

Kindle Unlimitedのサービスもオススメ。月額課金すれば、

  • 一部の音楽雑誌(サンレコ、ギタマガ、ドラマガ等)
  • 一部の音楽教則本

が読み放題になる。音楽制作にまつわる知識を蓄える上で、Kindle Unlimitedは心強い味方だ。

Kindle Unlimitedには好きなときに加入していいし、好きなときに退会してもいい。年末に1ヶ月間だけ加入して、1年分の雑誌をひと通り読み漁る。そんな使い方をしたっていいのだ。

もちろん、音楽関係の本に限らず、Kindle Unlimitedの対象になっていればどんな本でも読み放題だ。僕はそこまで読書をする方ではないが、それでも年に1度は加入して気になった本を読むようにしている。

なお、「電子書籍は読みづらい」と考えている人もいるかも知れないが、iPadなどの高精細なタブレットを使えば、非常に快適に読むことができる。

視認性に関しては紙の本の方がわずかに上かもしれないが、これだけ高精細だと、もはや好みの問題だと思う。拡大機能や検索機能があるぶん、総合的には電子書籍のほうが優秀だと僕は考える。

8. Acronis True Image

バックアップに使うソフトは、True Imageがオススメ。MacにはTime Machineという高性能なソフトが付いてくるが、Windowsなら市販のソフトを使ったほうがいい。

※Windows付属のイメージバックアップ機能が上手く動作しなかったので、僕は観念してTrue Imageを購入した。

True Imageは由緒正しいバックアップソフトなのでオススメできる。バックアップのスピードは速いし、HDDのクローン機能もディスクを交換する時に便利だ。

購入の際は、複数のマシンで使えるように、3台分のライセンスが入ったパッケージを買うとお得だ。

9. 乾燥剤「なんでも除湿シリカゲル」

乾燥剤?と思うかもしれないが、これが意外と便利だ。

コンデンサーマイクをはじめとした音楽機材の大敵となるのが、湿気。コンデンサーマイクは本来デシケーターで管理するのが理想だが、もっと手軽に管理したい人もいるだろう。そんな人にオススメなのが、この「なんでも除湿シリカゲル」。

  • 小さな袋に入っているので、乾燥しすぎない
  • ゼリー状になるタイプではない → 万一の水漏れで機材が濡れるのを防げる

こういったメリットがある。服に使うような乾燥剤だと、湿気を吸収するとゼリー状になってしまうので、万一の水漏れのときに機材がダメージを受ける可能性もゼロではない。しかし、この「なんでも除湿シリカゲル」ならそんな心配もいらない。コンデンサーマイクの保管にも重宝するだろう。

10. Amazonプライム

Amazonをよく利用する人なら、Amazonプライムに加入すると快適にサービスを利用できる。Amazonプライムのメリットは他所で語り尽くされているので割愛するが、僕が実際に使ってみて感じたメリットは次の2つだ。

  1. Amazonプライムデーのときに、プライム会員限定のセール品が買える
  2. 配送システムの充実(配送料無料、お急ぎ便無料、時間指定可)

なんといっても1点目が大きい。他の通販サイトでは享受できないメリットといえるだろう。毎年7月中旬には「Amazonプライムデー」というセールが開催される。そしてセール期間中には「プライム会員限定商品」が販売されることがあるのだが、これがとにかく安い。

僕も以前、Amazonプライデーで2TBのSSDを購入したことがある。もちろん購入前に他のサイトと価格比較はしているが、「プライム会員限定商品」として販売されていたSSDは圧倒的に安かったのだ。そうして僕はついにプライム会員に加入することになった。

Amazonプライムのサービスは、昔は年間プランしか用意されていなかった。今は月間プランも用意されているので、プライムデーを狙って加入するという作戦も立てられる。以前よりもユーザーが利用しやすい仕組みになっている。

Amazonプライムを初めて利用する人は、30日間の無料体験を試すことができる。Amazonプライムデーの時期を狙って加入すると、お得な買い物ができるはずだ。

サウンドハウスで買うべきお得な商品はどれか?利用歴10年超えの僕がまとめて紹介

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他店の追随を許さない安さで、ミュージシャンたちの財布を助けてくれる通販サイト。それがサウンドハウスだ。僕もかれこれ10年以上利用しているが、価格の安さには昔から定評がある。長年、音楽アイテムを買うときの心強い味方になってくれている。

今回は、いちユーザーの視点から、サウンドハウスで買い物をするコツについて記事にしてみる。

3大・サウンドハウスで購入したほうがいい商品

1. ギターやベースの弦

「サウンドハウスの利用において、最も節約できるのは、何を買うときか?」

そう聞かれたら僕はこう答える。「ギターの弦を買うときだ」と。

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ギターやベースの弦は、他の楽器屋とサウンドハウスを比較したときに、価格差が大きい商品のひとつだ。弦は消耗品なので、何度も買うことになる。数百円程度の価格差でも、蓄積すればその差は大きい。なるべく安く手に入れるに越したことはない。

僕はポイント利用の都合で、まれに他の楽器屋で弦を買うこともあるが、その度に価格差の大きさをひしひしと感じる。たとえ3セットパックで安く売っていても、サウンドハウスの1パック分の価格には全然及ばないのだ。

※リアル店舗運営のコストを考えれば、自然なことだが。

通販で弦を買えば、購入時にゲージ(弦の太さ)や型番を間違える心配もない。仮に価格が安いことを抜きにしても、店頭で買うよりもずっと良い。我々ユーザーにとっては、サウンドハウスで弦を買うメリットは非常に大きいといえるだろう。

2. ピック

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ピックも安い。普通の楽器屋だとだいたい1枚あたり100円(税別)で売っているが、サウンドハウスは断然安い。3分の1くらいの価格で手に入るものもあったりする。

ピックもサウンドハウスで買うのがオススメなアイテムのひとつだ。

3. ケーブル(シールド)

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ケーブルも安い。普通の楽器屋で買うよりも2~3割くらい安い印象だ。ギターやベース用のシールドケーブル、マイクケーブル、何でも売っている。

また、サウンドハウスではケーブルの切り売りもしている。はんだ付けのスキルさえあれば、ケーブルとプラグを2つ手に入れれば、さらに安くケーブルを手に入れることができる。

ピックアップやジャックに使う配線材も安く手に入る。

売っていない楽器屋も多かったりするので、こういった類のパーツを探しているときには本当に助かる。

僕がサウンドハウスで買ってよかったもの

ここからは、僕が個人的に買ってよかったものを紹介する。サウンドハウス以外の店だと売っていなかったり、割高になってしまうものを中心にまとめている。

ギター/ベース弦

僕が所有しているギターの多くには、エリクサーが張られている。エリクサーはコーティング弦なので、弦のコンディションが変わりづらい。なので、宅録(+DTM)で曲を作るような人にもオススメだ。

Elixir NANOWEB Super Light

ゲージ(弦の太さ)は「09-42」。ストラトなど、ロングスケールのギターに使っている。

Elixir NANOWEB Light

ゲージは「10-46」。レスポールなど、ミディアムスケールのギターに使っている。

Elixir NANOWEB 80/20 Bronze Custom Light

アコギ用のエリクサー弦。ゲージは「11-52」。LightとCustom Lightで迷うところだが、Custom Lightくらいの太さだとリードプレイもやりやすい。

Elixir NANOWEB Light Long Scale

ベース用のエリクサー弦。ゲージは「45-100」。ベースにエリクサー弦を使うと、ギター以上に弦の交換頻度を減らせる印象だ。

ギターケーブル

Custom Audio Japan Guitar Cable (II-3M)

CAJ(Custom Audio Japan)のシールドはバランスが良く、ハイファイな音質をしている。素直な音でギターの音作りがしやすく、ギターやアンプを問わずオススメできるシールドだ。

OYAIDE QAC-222G (SS/3.0)

OYAIDE QAC-222Gは比較的新しい製品にも関わらず、愛用者が多く、品質への評価も高い。基本的な音の傾向はCAJに近い印象だが、CAJのシールドと比べてもレンジが広い出音をしている。その割に、嫌なピークの部分が出ないようになっている。FractalやKemperといった現代的なギタープロセッサーとの相性も良く、レコーディングでは重宝する。

Belden 8412 (Wired 3SS)

本来はマイクケーブルとして開発されたものだが、ギターやベースで使っている人も多い。どっしりとした太さを持ちながらもレンジが広いという、気持ちの良い出音をしている。アンプ直結で弾きたいときや、音数の少ないサウンドのときは重宝する。ベースのレコーディングにもGood。

ピック・その他

Fender 351 Shape White Medium

Fenderのピック。ティアドロップタイプで厚さがミディアムという、超定番モデル。プレイスタイルを選ばない分、人気も高い。サウンドハウスだと異様に安いのでありがたい。

Fender 346 Shape White Medium

こちらは上記のピックのトライアングル(オニギリ型)Ver。カッティング中心の人だったり、アコギを弾く人にはこのトライアングル型が合うことも多いだろう。

CAJ Cleansable mist

こちらは接点復活剤。高い評価を得ていた、CAJ Cleansableの後継品だ。個人的にはスプレータイプではない方が使いやすいと感じるのだが、相変わらずの高品質で、安心して接点を磨くのに使える。「接触不良の多くは、接点の掃除不足が原因である」ということを教えてくれる一品だ。

HERCULES GSP39WB

ギタースタンド。壁に穴を開けられる人なら、これが最強だ。ヘッドで吊り下げるタイプのギタースタンドは、

  • 省スペース
  • 地震に強い(構造上、ギターが倒れない)
  • ネックの反りにも強い

と、あらゆる点でメリットがある。

マイクケーブル/MIDIケーブル

CANARE L4E6S BLACK 1m

CANAREの超定番ケーブルの、メーター売りバージョン。マイクケーブルとして使ったり、オーディオインターフェイスとスピーカーの接続に使ったりする。

ケーブル自作のメリットは、安く作れることと、長さを自分で指定できることだ。たとえばマイクプリ等のハード機材と、オーディオインターフェイスを接続するときには、自分で短いケーブルを作れれば便利だ。

ケーブルを自作するときは、コネクターを買って、自分ではんだ付けして使う必要がある。合わせて買うコネクタの例としては、次のようなものが挙げられる。

  • 普通のマイクケーブル(XLR端子のラインケーブル)を作るとき:「NC3MXX-B」(オス)と、「NC3FXX-B」(メス)を1つずつ買う。
  • TRSフォン端子のラインケーブルを作るとき:「CLASSIC PRO P12S」を2つ買う。
    ※高品質なコネクターにしたいときは、代わりに「Switchcraft 297」を2つ買う。

ハンダは「Montreux Kester 44」あたりのKesterハンダを使えば問題ない。

余談だが、コンサートの現場ではほとんどCANAREのケーブルが使われており、CANAREはPA業界の実質的なスタンダードとなっている。レコーディングの現場ではもっと高品質なケーブルが使われることも多いが、個人的にはラインケーブルとして使う分には問題ないクオリティだと感じる。

CANARE EC05B(XX) BLACK 5m

CANAREの既製品のマイクケーブルだ。ケーブルの中身は上記商品と全く同じで、L-4E6Sのケーブルに、ノイトリックのコネクターを組み合わせたものとなっている。はんだ付けができない人や時間がもったいない人は、素直に既製品を買うのも賢い選択だ。

※自作ケーブルと既製品ケーブルの価格差を調べてみるのも面白い。

CLASSIC PRO MID030

こちらはMIDIケーブル。据え置きで10年くらい使っているが、なんの不具合も出ておらず、問題なく使えている。CLASSIC PRO製品は低コストなイメージがあるが、僕の用途では問題ないようだ。

レコーディング機材

STEDMAN PROSCREEN101

今どきレコーディング機材は色々なお店で売っている。だけど、他の店ではなくサウンドハウスで買うことをオススメしたいのが、このSTEDMAN PROSCREEN101だ。※直輸入品なので、他の楽器屋よりも安く手に入れることができる。

ポップガードは、コンデンサーマイクの前を覆う形で、ボーカリストの吹かれ(息のノイズ)を防ぐためのアイテム。STEDMAN製のポップガードはプロのレコーディング現場でも普通に使われていて、品質の高さは折り紙付きだ。

金属製のポップガードは消耗品ではないし、特別なメンテも不要(水で洗うだけ)なので耐用年数は長いはず。おまけにそれほど高価なアイテムでもない。ならば始めからこれを買ってしまって、ずっと使い続けるのがいい(僕は昔安いのを使っていたが、グースネックがフニャフニャで使いづらかったし、今思えば回り道だったと思う)。

※この製品、昔はもっと高かったと記憶しているが、いつの間にか安くなっていた。いい時代になったなと思う。

おわりに

Amazonや楽天の躍進も目立つ中、サウンドハウスは相変わらず音楽関係の商品を低価格で提供し続けてくれている。おまけに、最近はサービス内容もパワーアップしてきている。

こういった部分は、かなり強力なメリットといえるのではないだろうか。

僕は色々な店で音楽機材の価格比較をすることも多いが、サウンドハウスは、取り扱っている商品ならばどんなものでも安く売っているのがすごい。今後とも、サウンドハウスを利用して賢い消費者を目指したいところだ。

Finaleで童謡「ふるさと」のメロディ譜面(歌詞付き)を作ってみよう

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Finaleの操作に慣れるには、実際に譜面を作ってみるのが一番。

そこで今回は、Finaleで童謡「ふるさと」の「歌詞付きメロディ譜面」を作ることにする。一つずつ手順を追って解説していくので、参考にしてみてほしい。

1. Finaleを起動

1-1. セットアップウィザートから新規ファイル作成

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Finaleを起動したら、新規ファイルを作成するために「セットアップ・ウィザード」をクリックする。

1-2. 楽譜の書式を決めていく

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セットアップウィザートに従って楽譜の形式を決めていく。

はじめのウィンドウでは、「適用する楽譜書式」から「出版社風」を選ぶ。「次へ」をクリック。

2つめのウィンドウでは、「空五線」カテゴリから「空五線」を選択し、「追加」をクリック。これで1パート分の五線が作られることになる。「次へ」をクリック。

3つめのウィンドウでは、タイトル欄に「ふるさと」と入力する。他はとりあえず空欄でよい。「次へ」をクリック。

最後、4つ目のウィンドウでは、拍子や調(キー)を決められる。拍子を「3/4」、調をGメジャーに変更する。「完了」をクリックするとFinaleの新規ファイルが立ち上がる。

2. レイアウト調整

2-1. 1段目の左の余白を消す

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デフォルトの状態では、一番上の段の左側に空白がある。このスペースは本来、パート名が表示される部分だが、今回は要らないので空白を詰めてしまおう。

空白を詰める方法は次の通り。

  1. ページ・レイアウト・ツール(用紙が重なっているようなマーク)を選択する。
  2. 1段目の左端を決めるガイドとなるポイントを動かす。Shiftを押しながら左にめいっぱいドラッグする。※Shiftを押しながらだと上下の動きが封印されるのでやりやすい。

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これで全段、左のラインが揃う。 

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2-2. 1段あたり4小節に固定する

デフォルトの状態だと1段あたりの小節数が多すぎるので、最終的に見づらくなってしまう。そこで、1段あたりの小節数を4小節に固定する。方法は次の通り。

  1. メニュー>ユーティリティ>小節のはめ込みと進む。
  2. 「一段ごとに4小節ずつ配置~」にチェック。適用対象が「すべての小節」になっていることを確認し、OKをクリック。

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これで1段あたりの小節数が4小節になった。

3. 音符の入力

3-1. ステップ入力ツールを使って音符入力

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五線のフォーマットが整ったところで、音符を入力していこう。ステップ入力ツールを選択し、ステップ入力用パレットから音価を選択。五線譜上に音符を置いていこう。

音符の入力や音価の選択には、ショートカットキーを使うとスムーズだ。興味のある方は、前回の記事をご参照いただきたい。

なお、童謡「ふるさと」のメロディは、Wikipediaに掲載されているので下記リンクを参考に。※「ふるさと」はパブリックドメイン(著作権切れ)の曲なので詞曲ともに記載可能なのだ。

故郷 (唱歌) - Wikipedia

3-2. スラーの入力

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曲の中間部の「ドシドーミレドシー」の(←太字の)ところには、スラーを入力する必要がある。入力方法は次の通り。

  1. 変形図形ツール(クレッシェンドのマーク)を選択し、さらにスラー・ツールを選ぶ。
  2. スラーを掛けるはじめの音符をダブルクリックし、そのまま終わりの音符までドラッグする。
  3. マウスのボタンを離す。スラーが生成される。

※スラー記号はFinale上では赤い線で表示されるが、最終的に出力される楽譜のPDFファイルではきちんと黒い線になってくれるので問題ない。

3-3. 余分な小節を削除する

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無事音符の入力が終わったら、余分な小節を削除しよう。選択ツール(矢印マーク)を選択した状態で、

  1. 削除したい小節の、はじめの小節をクリック。
  2. 削除したい小節の、最後の小節を、Shiftを押しながらクリック。これで空白の小節が全て選択される。
  3. Deleteキーを押す。

これで余分な小節が削除される。

4. 歌詞の入力

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音符の入力が終わったところで、次は歌詞を入力しよう。入力方法は次の通り。

  1. 歌詞ツール(万年筆みたいなマーク)をクリックして選択。
  2. 1つ目の音符をクリックする。歌詞入力モードに入る。
  3. 一文字入力したら、Tabキーを押して次の音符に飛ぶ。これを繰り返し、歌詞を一文字ずつ入力していく。

5. フォントの変更

5-1. 歌詞のフォント変更

歌詞が全て入力されたところで、文字のフォントを変えたくなってきた。デフォルトだと明朝体だが、ゴシック体にしたい。歌詞のフォントを変える手順は次の通り。

  1. 歌詞ツールを選択し、メニュー>歌詞>歌詞ウィンドウと進む。

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  2. 表示されている歌詞の文字を、ドラッグしてすべて選択。メニュー>文字>フォントと進む。

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  3. フォントを変更する。ここでは「メイリオ」にしてみる。

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これで歌詞のフォントが変更された。

5-2. タイトルのフォント変更

タイトルも同様に、メイリオフォントに変更したい。手順は次の通り。

  1. タイトルの文字を、選択ツールでダブルクリック。
  2. 文字をドラッグして選択状態にする。
  3. メニュー>文字>フォントから、同様にフォントを変更する。

なお、タイトル以外のテキストボックスは全て削除。シンプルな譜面を目指す。

6. 小節番号の削除

シンプルな譜面にしたいので、小節番号も削除してしまう。手順は次の通り。

  1. 小節ツールを選ぶ。全ての小節を選択し、メニュー>小節>「小節番号:範囲の編集」と進む。

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  2. ウィンドウ右上の「削除」をクリック。

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これで小節番号が消えてくれる。

7. 完成

これにて童謡「ふるさと」の譜面が完成!美しく叙情的なメロディと歌詞。こうして譜面にしてみると、改めてこの曲の素晴らしさが分かる。

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完成した譜面は、PDFファイルでエクスポートしておこう。※メニュー>ファイル>エクスポート>PDFと進む。

PDFファイルなら人に渡したり、印刷したりできる。また、PDFで残しておけば、もし将来Finaleを使わなくなっても譜面を確認できる。データの長期保存の観点からいっても良いことだ。