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Finaleのライブラリに関する覚え書き

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※Finaleの「ライブラリ」ファイルに関する、備忘録的な記事となります。

Finaleの「ライブラリ」って何?

「ライブラリ」とは、自作したコードサフィックスや発想記号、設定項目などを、他のFinaleファイルでも使えるようにするためのファイルのことだ。

例としては、

  1. ファイルAで使っている自作のコードサフィックスを、ファイルBでも使いたい。
  2. ファイルAの「コード&フレットボード」のライブラリを書き出す。
  3. ファイルBで、手順2で書き出したライブラリファイルを読み込む。
  4. ファイルBでも、自作のコードサフィックスを使えるようになる!

こういった流れで使うことになる。

ライブラリを保存するコツ

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ライブラリは項目ごとに、個別に分けて保存するのがコツ。複数の項目をまとめてライブラリファイルに出力することもできるが、読み込み時に項目を個別に選択できない。ライブラリファイルは項目別に保存したほうがいい。

ライブラリの内容について

「どの要素がどのライブラリ項目に反映されるか」は、一応Finaleのオンラインマニュアルに書かれている。→ ライブラリを保存ダイアログボックス

だけど、項目がかなり細分化されているし、名前の付け方が分かりやすいとはいえない。直感的に把握しづらいと思われるので、主なライブラリ項目について、具体例を交えて内容をまとめてみる。

※一部のみ抜粋しています。

コード&フレットボード

主に、自作のコードサフィックスを呼び出すためのライブラリ項目。Finaleのコードサフィックスは、ほぼ自作前提なので、利用することが多い項目ではないだろうか。

なお、「サフィックスを読み込むときに、既存のものと重複が起こったりしないか?」が気になるところだが、

Finaleはライブラリの読み込み時に、そのファイルの既存のサフィックスをチェックして、重複しないものだけをファイルに取り込みます。

出典:ライブラリを保存ダイアログボックス(コード&フレットボード)

とのことなので、心配は要らない。

アーティキュレーション

アーティキュレーションツールとは、スタッカートやアクセント、フェルマータなどを入力するためのツールだ。

たとえば、ギター用のTAB譜を作るときなどは、チョーキング(C)やハンマリング(h)など、自作したアーティキュレーション記号を使うことがある。このような記号を他のFinaleファイルでも使いたいときは、この「アーティキュレーション」の項目にチェックしてライブラリを書き出せば良い。

文字発想記号/図形発想記号

発想記号ツールは、

  • リハーサルマーク
  • 「f(フォルテ)」や「p(ピアノ)」等の強弱記号
  • 「Allegro」や「(音符)=120」などの速度を表す記号
  • スウィング記号

を表記するためのツールだ。

発想記号を自作する場合、「文字」か「図形」のどちらかを選んで、作成することになる。

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なので、自作した発想記号をライブラリとして書き出す場合も、次のような分類が行われるようだ。

  1. 文字を使っているもの:文字発想記号
  2. 図形を使っているもの:図形発想記号

このルールを踏まえて、発想記号のライブラリを書き出すようにすればOK。

文字反復記号

反復記号ツールは、「D.S./セーニョ」や「to Φ/Φ Coda」などの記号を表記するためのツールだ。※Φは「ヴィーデ」の意。

以前書いた「Finaleで「1番&2番かっこ」「D.S/セーニョ」「to Φ/Φ Coda」が付いた譜面を作ってみよう」という記事では、

  • CodaとΦをくっつけて表示させるには、「Coda」部分の文字記号は、自作する必要がある
  • Φやセーニョに丸数字のマークを付ける場合も、文字反復記号を自作する必要がある

という趣旨の話をした。もし、このような「自作した文字反復記号」を他のFinaleファイルでも使いたいときは、「文字反復記号」にチェックを入れてライブラリを書き出す必要がある。

楽譜スタイル

「五線ツール」で設定できる、「楽譜スタイルを」呼び出すためのライブラリだ。

以前書いた「Finaleでコード譜を作ろう #2:実際にコード譜を作ってみよう」という記事の中では、自作の楽譜スタイルを適用することで、コード譜にふさわしい表記ができるように工夫をした。

こういった「自作の楽譜スタイル」を他のFinaleファイルで使いたいときは、「楽譜スタイル」にチェックを入れてライブラリを書き出せばよい。

パーカッションレイアウト

ドラム譜面を作るときは、音符を入力しやすいように、使わないパーカッション(ウッドブロックとか)を削除したりする。

※「五線の第3間の部分に対して、奏法違いのスネアが3種類も割り当てられていて、ステップ入力で音符を入力しづらい」というような状況があったりするので。

で、そういった情報は、この「パーカッション・レイアウト」という項目に反映されるようになっている。

基本図形

アーティキュレーションや図形発想記号で使う「基本図形」を呼び出すためのライブラリ。

※マニュアルにも次のように書かれている。

基本図形:(中略)〔図形作成〕ウィンドウで作成したすべての図形を保存します。

出典:ライブラリを保存ダイアログボックス

とはいえ、この項目については、ライブラリを単独で書き出す機会はないかもしれない。

なぜなら、基本図形の情報は、アーティキュレーションや図形発想記号のライブラリにも内包されているからだ。※アーティキュレーションや図形発想記号のライブラリを読み込むと、それらで使用されている基本図形の情報も、Finaleに読み込まれるようになっている。

補足:ライブラリ読み込み時の基本図形重複問題(備忘録)

最後にFinaleのライブラリを読み込むときの仕様について書いておく。

ライブラリファイルををFinaleに読み込むときは、基本的には「ライブラリ内に含まれる新しいデータ」だけが、現在開いているFinaleファイルに追加されるようになっている。※つまり、重複分のデータについては読み込みは省略されることになる。

しかし、「楽譜スタイル」と「基本図形」のライブラリだけは別で、重複して読み込まれてしまうという性質を持つ。

※Finale 25 Win版で確認しています。

「楽譜スタイル」については、この仕様でも特に問題にはならない。既存のものを消してから読み込めばいいので。

しかし、「基本図形」のライブラリがこのような仕様になっているのは、少しわずらわしいことだ。なぜなら、「アーティキュレーション」や「図形発想記号」のライブラリには「基本図形ライブラリ」に含まれる情報も内包されているので、これらのライブラリを読み込むと、基本図形のデータが重複してしまうからだ。

ライブラリに含める要素を複数まとめたり試行錯誤試してみたが、解決することはできなかった。というわけで、これは避けようがない仕様のようだ。なので、下記2点のライブラリについては、自作したもの以外を全て消した状態でライブラリを保存するのが良さそう。

  • 図形発想記号
  • アーティキュレーション

そうすれば必然的に、ライブラリ読み込み時にデータの重複が発生することはなくなる。

※この問題は、海外フォーラムでも話題になっている。

(参考)How can I save a library file without duplicating contents? :: MakeMusic Forum