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RME TotalMix FXの使い方を、5つの具体例を挙げつつ解説してみる

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 RME TotalMix FXは、RME製のオーディオインターフェイスに付属するミキサーソフトだ。PC内部の音声信号や、入出力信号を自由自在にルーティングすることができる。

TotalMix FXのルーティングの自由度は、他社製品と比較してもトップクラスの性能を誇る。反面、自由度が高いあまり、操作方法を理解するのに少し時間がかかる。

今回は具体的な設定例を挙げつつ、TotalMix FXの見方、設定方法について解説していく。

TotalMix FXを理解するための予備知識

TotalMix FXは、ミキサー画面とマトリックス画面、2つの画面で状態を確認することができる。一方で設定を変えると、もう一方の画面にも連動するようになっている。

TotalMix FXでつまずきやすいのは、何と言っても信号のルーティング方法だ。そこで今回は、音声信号の流れを確認しやすいマトリックス画面を元に解説をしていく。

TotalMix FXのマトリックスビューを見てみる。理解する上で重要な部分は、

  1. 左端の上半分の入力端子
  2. 右端の下半分の再生チャンネル
  3. 下端の出力端子

この3箇所だ。それ以外は気にしなくて良い(特に左端の下半分は、理解の妨げになるので無視しよう)。

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入力端子(赤枠)

XLR(コンボ)端子はMic、フォーン端子はAN(Analog Input)のように名前がついている。SPDIF、AS、ADATはデジタル入力。

※ASは(ADAT or Optical S/PDIF)の意味(たぶん)。

再生チャンネル(青枠)

 PC内の再生チャンネル(Pb; Playback)を表す。

出力端子(緑枠)

ANとMain(ヘッドホン)はアナログ出力。SPDIF、AS、ADATはデジタル出力。

マトリックス画面の基本的な考え方

右端下部の再生チャンネル(Pb)を、下端のどの出力端子へ出力させるかを決める。2つが交わる点を選び、ドラッグして値を上げると、PC内で再生されている音が、出力端子から出力される。

また、左端上部の入力端子と、下端の出力端子が交わる点を上げると、入力されている信号が選択された出力端子から出力される(ギター演奏等のダイレクトモニタリングに使える)。

具体例とセッティング

使い方の具体的な例と、それらのセッティングを、Fireface UCを使用している場合で解説していく。その他のRMEインターフェイスでもやり方は一緒。製品によって入出力数が違うので、そこはうまく読み替えていただきたい。

また、今回の例で設定した入力/出力端子や再生チャンネルは、当然他の端子や再生チャンネルを使っても問題はない。ご自身の環境に応じて、適切に設定していただきたい。

例1. iTunesで音楽を聴く

まず、iTunesの音声(=OS全体の音声)を、Fireface UCのどの再生チャンネルに割り当てるかを決める。

Windows 7なら、コントロールパネル>ハードウェアとサウンド>サウンドと進み、「再生」タブを見る。

「スピーカー(RME Fireface UC)」を選択し、「既定値に設定」をクリック。これで、Windows 7の音声全般(iTunes含む)が、マトリックス画面の再生チャンネルPb1, Pb2から流れるようになる。

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次にマトリックス画面を見てみる。iTunesの音声と連動したPb1, Pb2の信号を、どの出力端子から出力するかを決める。

出力端子1/2に接続してあるスピーカーで聞く場合、「AN 1/2」と「Pb1, Pb2」の交わる部分をダブルクリック(or ドラッグ)して、0.0(dB)にする。

これで、Pb1, Pb2の再生チャンネルの音声信号が、Firefaceの出力端子1/2に流れるようになった。しかし、まだ音は聞こえないはず。

TotalMix FXは、出力端子そのものに、擬似的なマスターボリュームがついているような仕組みになっている。「AN 1/2」と右下「Out」が交わる部分を、ダブルクリックして0.0にする。これでスピーカから音が出るようになる。

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あとは、スピーカーのボリュームを適度に上げれば音が聞こえるようになるはずだ。

RME Fireface UCX

例2. Cubaseで使う(iTunesも併用)

CubaseVSTコネクション>出力の「デバイスポート」は、TotalMix FXの再生チャンネル(Pb)に対応している(例:デバイスポートの「Analog 1」は「Pb1」)。

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Cubaseの出力(ステレオ)を、Analog 1,2に設定。これで、Cubaseのマスター出力はTotalMix FXのPb1, Pb2に割り当てられる。あとは、先ほどのiTunesを聴く操作と同じ手順で進めればOK。

ちなみに、Cubaseを使用しながらiTunesも聞きたい場合、再生チャンネルを分けた方が良い(理由は後述※)。そこで、Windows7のサウンド設定から再生デバイスを「Analog (3+4)」に設定。これで、iTunesの出力はPb3, Pb4に割り当てられる。

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これで、CubaseiTunesはそれぞれ別の再生チャンネル(Pb1,2 / Pb3,4)を通り、同一の出力端子(AN 1/2)から出力されるようになる。

マトリックス画面が以下のようになっていればOK。

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 ミキサー画面で見ても、iTunes出力は別の再生チャンネルを通っていることがわかる。

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RMEのドライバはマルチクライアントに対応していて、複数のソフトの音声を同じ再生チャンネルから出すことも可能。しかし、他社のオーディオインターフェイスはこの限りではない。オーディオインターフェイスを変えても困らないよう、DAWの出力とOSの音声出力は分ける癖を付けたほうが良い。

例3. YouTubeの音声をDAWでループバック録音する

例2の状態から、そのまま進める。YouTubeの音声は、「Pb3, Pb4」の再生チャンネルを通って出力されている。

「Pb3, Pb4」と「AN 5/6」が交わる部分を0dBにして、下部の「Out」と「AN 5/6」が交わる部分も0dBにする。これで、YouTubeの音声はFirefaceの出力端子5/6から出力される。

ミキサー画面に移動し、下部HARDWARE OUTPUTSのAN 5/6のスパナマークをクリックし、Loopbackを点灯させる。

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これにより、「出力端子5/6が入力端子5/6にケーブルで接続されている状態」を擬似的に作り出すことができる(マニュアル参照)。DAW上でオーディオトラックの入力をInput 5/6にすれば、YouTubeの音声を録音することができる。

 マトリックス画面は次のようになる。

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例4. ソフトシンセをアウトボードに流し込む

ソフトシンセをFireface UCの出力端子3/4から出力し、マイクプリアンプを通す場合。

まずソフトシンセの出力が「Pb5, Pb6」になるように、CubaseVSTコネクション上で設定する。マイクプリアンプは、Fireface UCの出力端子3/4から接続されているので、「Pb5, Pb6」と下の「AN 3/4」が交わる部分を0dBに上げ、さらに「Out」と「AN 3/4」が交わる部分(=マスターボリュームの役割)を0dBに上げる。これでソフトシンセの出力が、Fireface UCの出力端子3/4から出力されるようになる。

あとは、マイクプリアンプを通った信号をFirefaceに戻してやればよい。

例えば、マイクプリアンプの出力が、Fireface UCの入力端子5/6に接続されている場合、DAW上で入力をInput 5/6にして録音すればOK。

これにてソフトシンセのアウトボードへの流し込みが完了する。 

例5. CubaseのControl Room機能を使いキューミックスを作る

ゲストミュージシャン用のキューミックスを、Fireface UCのヘッドホンアウトから出力し、自分は元のバランスのミックスを聞く場合。

Cubase上でキューミックスの出力をSPDIF coax. L/Rに設定(これらに対応するのはPb9とPb10)。

RME TotalMix FX上で「Pb9, Pb10」と「Main」が交わる部分を0dBに上げ、「Out」と「Main」が交わる部分を適当に上げる(ここはFirefaceのヘッドホンボリュームと連動)。

自分用のミックスの出力はADAT 1/2に設定(※Cubaseの仕様上、普段のアウトとは分ける必要あり)。「Pb11, Pb12」と下の「AN 1/2」が交わる部分を0dBにする。

最後に

一見難しそうだが、使いこなせば非常に便利なのがTotalMix FXだ。ハード音源やアウトボードを使う人は、ぜひ操作を習得しておきたい。

RME Fireface UFX

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