DAW作業に必須!モニターコントローラーを比較調査してみた

はじめに

皆さんはDAWで音楽制作をする際、モニター音量の調節はどのように行っているだろうか。

オーディオインターフェイスの出力端子から直接モニタースピーカーに接続し、スピーカー本体のボリュームやパソコン上で音量調節をしている人もいるかもしれない。しかしスピーカー本体のボリュームをいじるのは利便性に欠けるし、パソコン上で音量調節をすると音質的に不利(後述)。

モニター音量は、手元でボリュームを調整できたほうが良いのだ。

昔はハード機材が多用されていたこともあり、オーディオインターフェイスはミキサーを介してスピーカーに接続されていた。しかし現在はソフトウェアベースの音楽制作が一般的なので、純粋にモニター音量を調節するだけで十分。そんなニーズから作られたのが、「モニターコントローラー」という機材だ。

各メーカーから様々なモニターコントローラーが発売されているが、今回は僕が実際に使ったことがあるものや、「気になる」「使ってみたい」と感じるものを紹介していく。

モニターコントローラーでできること

手元でのボリューム調整

どのモニターコントローラーでもできることが、この「ボリューム調整」だ。

「デジタル領域では音量をいじらないほうが音質的に有利」という基本的な考え方がある。CDや市販の配信音源のような16bitの音源であれば、これは顕著だ。例えば、iTunesなどのオーディオプレイヤーは、ボリュームがMAXのときに一番音が良くなる。

音楽制作者ならば、24bit以上の環境で制作している場合、DAWのフェーダーを下げても音質劣化は気にならないだろう。しかし、やはり16bitの音源でもフルビットの情報量で聴けるよう、プレイヤーのボリュームはMAXにした状態で、モニターコントローラーで音量を調整するのがベストだ。

モニターコントローラーは、基本的にオーディオインターフェイスとスピーカーの間に挟んで使う。モニターコントローラーのボリュームをいじることで、スピーカーから流れる音量を調節することができる。

複数のスピーカー切り替え

モニターコントローラーの多くは、ステレオの出力系統を複数持っている。このため、複数のスピーカーを切り替えながらミックス作業を行うことも可能だ。

ヘッドホン端子の追加(ヘッドホンアンプの役割)

ヘッドホンアウトを搭載しているモニターコントローラーならば、当然ヘッドホンアンプとして使用することもできる。

オーディオインターフェイスの出力をステレオで1系統だけモニターコントローラーに送ってしまえば、ヘッドホン出力についても、モニターコントローラーで一元管理できて便利だ。

DAコンバート

デジタル入力を搭載しているモニターコントローラーは、当然DAコンバーターも搭載している。DA部が売りになるようなモニターコントローラーは少ない(一部の高価格帯のみ)が、この部分にも相応のコストがかかっている。デジタル入力を搭載している場合は、チェックしたいポイントだ。

~5万円コース

ここからはモニターコントローラーを紹介していく。価格帯ごとに、おすすめモデルを列挙していく。

TC Electronic Level Pilot

パッシブのボリュームだけという非常にシンプルな構造をしている。単純に1組のモニタースピーカーの音量調節に使える。他の多機能なモニターコントローラーのように、ヘッドホン端子はついていないので注意。

コネクターはXLR端子となっている。

価格は約1万2千円。

TC Electronic Level Pilot

PreSonus Monitor Station V2

僕も昔、初代Monitor Stationを使用していた。その前に使っていたBEHRINGER MON800から乗り換えたときに、音質が明らかに上がったのを覚えている。

アナログ入力をステレオ3系統(うち1つはRCA)、出力もステレオ3系統持っていて、トークバックマイクも付いている。同価格帯の中では機能が豊富なモデルと言えるだろう。

さらにV2からはS/PDIF入力も搭載され、別途デジタル入力が可能になったのが特徴だ。

後述のCentral Stationもそうだが、PreSonusのモニターコントローラーはとにかく使い勝手が良い。音質劣化も許容範囲。この価格帯の中では、最もオススメできるモデルだ。

価格は約3万7千円。

PreSonus Monitor Station V2

~10万円コース

SPL 2Control

僕のオススメはこれ。

ステレオ2系統ずつの入出力にヘッドホン端子2つというシンプルな設計。必要最低限の機能のみを備えており、音質面での評価が非常に高い。

同価格帯の他のモニターコントローラーからこれに乗り換え、「音が良くなった!」と言っている人を多数知っている。音質優先の人や、特に機能的な部分にこだわらない人は、これを選ぶとよい。

入出力端子は全てXLRとなっている。

価格は約7万5千円。

SPL 2Control

Conisis M04

国産メーカーのモニターコントローラーだ。信頼できる音響メーカーのため音質への信頼度も高い。
惜しむらくはヘッドホン出力がステレオミニジャックなところ。

中田ヤスタカ氏はずっとBig Knobを使用してきたが、2012年頃よりこのモデルを使用しているようだ。※出典:サウンド&レコーディング・マガジン 2012年4月号

価格は約9万5千円。現在公式サイトで15%OFF(常時?)。

CONISIS M04

Presonus Central Station + CSR-1

アナログ入力をステレオ3系統(うち1つはRCA)、出力もステレオ3系統、トークバック付きと、同メーカーのMonitor Station V2と基本スペックは似ているが、それをパワーアップさせたラックマウントタイプのモデルとなっている。

別途デジタル入力も1系統搭載している。

特筆すべきはCSR-1というコントローラーが付いている点。本体はラックにマウントさせ、普段のボリューム操作はCSR-1で行う。これによりケーブルがごちゃごちゃせず、スッキリとしたセッティングが可能になる。

音質だけを考えるならConisisやSPLの方が上だろうが、機能性ではこちらに軍配が上がる。Central Stationは、音質と使い勝手のバランスに優れたモデルと言えるだろう。

注意すべき点としては、ヘッドホンのボリューム操作をするときに、CSR-1ではなく、本体側で調整する必要があるということ。海外のフォーラムでもネタになっている。

So every time I need to adjust my headphone volume, I have to get up and go to the rack which is a PITA.

出典:Presonus Central Station headphone volume control

価格は約8万円(リモコン込み)。

PreSonus Central Station + CSR-1

10万円~コース

この価格帯のものは僕も実際に使ったことがなく、未知の領域となっている。これは間違いない!と思えるものを1点だけ紹介する。

GRACE design m905

最高峰の品質を誇るGRACE design社のモニターコントローラー。そのお値段、なんと約46万円。

スピーカー、ADC、DAC、クロック精度などはもちろん、部屋の音響特性も万全の状態でその真価を発揮するだろう。お金に糸目をつけず、とにかく最強のモニターコントローラーが欲しい人はこれで決まり。値段が値段なので、プロ作編曲家やエンジニアの愛用者もしばし見受けられる。

デジタル入力にも対応しており、DAコンバーターもついている。このクラスになってくると、他のモデルとは異なり、単体の高級コンバーターにも引けを取らないクオリティとなってくる。質の高いDAコンバーター目当てで買うのもアリ。

※デジタル入力無しのモデル(m905 Analog)は33万円と、価格がだいぶ変わる。

価格は約46万円。

GRACE design m905

おわりに

モニターコントローラーは基本的に値段が音質に直結する(音痩せの度合いなど)。お使いのスピーカーやオーディオインターフェイスのグレードに合わせて、適切な価格帯のものを選ぶのが良いと思います。

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